幼児唾液中フッ化物(F)イオン動態を、フローインジェクション分析装置を用いて測定し、今よりさらに安全で効果的な使用F量の検討を目的に研究を開始した。期間内には、唾液中Fイオン濃度と1.有機物と無機イオン、2.幼児口腔衛生習慣との関連性について成果を得た。1については、カルシウムイオンとタンパク質が添加されることで、溶液中Fイオン濃度が減少することが示唆された。また2については、仕上げ磨き回数が多いほど唾液中Fイオン濃度が高くなる結果が認められ、成果については現在、ジャーナル投稿中である。唾液中Fイオン濃度減少理由とともに、今後はいかに長時間添加F濃度を唾液中で維持させるかが課題と考えている。
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