研究課題/領域番号 |
23792453
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
三宅 真次郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (40454152)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 咀嚼器官 / ストレス / PTSD |
研究概要 |
本実験における研究目的は咀嚼器官と高次脳機能とのクロストークの科学的根拠の解明である。特に現代のストレス社会において関心の高いうつ病、認知症、PTSD(Post-traumatic stress disorder)といったストレス障害と口腔機能との関連を明確にするため、行動生理学・電気生理学的に咀嚼器官の活性化によるストレス軽減の現象をとらえ、その現象に対する口腔と高次脳とのネットワーク、メカニズムを検証し、全身の一器官としての口腔の重要性を示すとともに歯科の立場からストレス疾患に対する予防・治療に携われる可能性を立証することにある。目標達成の為に23年度は、1. PTSDモデルラットの作成と病態検討 2. PTSDモデルラットを用いた咀嚼器官の活性化によるストレス減弱効果の行動生理学的検討に取り組んだ。研究の成果として、PTSDモデルラットの確立およびELISAにて血中のコルチコステロンを測定しコントロールラットとの病態の違いを確認した。さらに、高架式十字迷路、オープンフィールドテスト、恐怖条件付けによるフリージング時間などの行動実験も施行し、ある程度のデータを確認することができた。さらに、ストレス曝露により低下するとの報告がある海馬が司る空間記憶・学習能力を指標に咀嚼器官の活性化によるストレス減弱効果をモリスの水迷路を用いて行動生理学的に確認し、咀嚼器官の活性化は海馬CA1領域のGRを増加させることでストレスの減弱効果を示すことを論文報告した。現在24年度の課題としていたPTSDモデルラットを用いた電気生理学的検討を手掛け始めたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度に計画した1.モデルラットの作成と病態検討 2. PTSDモデルラットを用いたモリス水迷路による行動生理学に関してはおおむね予定通りの進行している。
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今後の研究の推進方策 |
現在実験を行っている電気生理において、電気的なノイズがデータ測定の弊害となり実験の進行の妨げとなっている。本年度は上半期に電気生理のデータをまとめ、免疫組織学的手法の検討に取りかかる予定である。計画どおり実験を進めるには動物の匹数確保とノイズの発生し易い実験室の環境整備に取り組む予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
大部分を動物、試薬の消耗品に充てるという計画当初の方針は変わらないが実験環境整備の目的でノイズ除去装置の購入を検討し、デモ機の試運転中である。
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