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2012 年度 実績報告書

歯周組織の炎症と再生における低酸素環境が遺伝子転写活性へ及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 23792478
研究機関広島大学

研究代表者

岩田 倫幸  広島大学, 病院, 助教 (30418793)

キーワード低酸素 / 間葉系幹細胞 / 歯周予防学 / 転写活性 / 再生歯学 / microRNA
研究概要

平成24年度における本研究では“歯周組織の恒常性を維持した効果的な歯周組織再生”を最終目的として、低酸素が分化能を中心とした細胞機能に及ぼす影響を低酸素誘導因子HIF-1αおよび間葉系幹細胞(MSC)の未分化マーカー転写因子からなる転写因子群の関与という観点から研究を推進した。
本年度実施した具体的な研究内容として、MSCを用いて、
1.炎症性サイトカイン発現に対する低酸素およびHIF-1αの影響の検討 2.低酸素環境下における細胞機能制御に関与するmicroRNAの同定 3.microRNA発現調整による細胞機能に対する影響および炎症制御に対する影響の検討 を行なった。
得られた結果として、1. HIF-1α誘導条件下においてMSCでのセルロプラスミン(CP)および炎症性サイトカインの発現は亢進された。2.MSCにおいてHIF-1α誘導条件下および未分化維持条件下で変化を示したmicroRNAの中から遺伝子ライブラリーを用いて低酸素誘導性未分化マーカー転写因子に関連するものを絞り込んだところ、2つのmicroRNAが有力な候補として考えられた。3.MSCにおいて上記2つのmicroRNAを過剰発現させ、MSC未分化関連転写因子9種類の発現を確認したところ、ETV5とGATA6の発現は減少したが、KLF12, SOX11およびHMGA2の発現は増加した。更に、骨分化誘導時における大部分の骨分化関連遺伝子の発現が促進された。また、炎症性因子として、CPおよびIL-1β, IL-8およびIL-10の発現が亢進した。
以上の結果から、未分化関連転写因子とmicroRNAの相互作用によってMSCの機能が制御される可能性が示唆された。これにより、これら遺伝子の発現制御に着目した酸素濃度調整を中心とする低酸素誘導性転写因子群の制御によって効果的な歯周組織再生につながることが期待される。

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公開日: 2014-07-24  

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