研究課題
若手研究(B)
歯肉上皮細胞株であるCa9-22細胞からRNA、タンパクを抽出しRT-PCR法にてRANKL mRNA、 western blotting法にてタンパク発現の有無を調べた結果、 RANKLの発現を確認することができた。次にマウスの歯周組織に免疫染色を行い、RANKLタンパクの発現を検証した。付着上皮、歯肉溝内上皮、口腔歯肉上皮にその発現をみることができた。次に、歯肉上皮細胞をTNF-αで刺激し、RANKL 発現に対する影響を検討した結果、RANKL発現はTNF-α刺激により有意に増加した。最後にTNF-αがRANKL発現を誘導する経路を調べるために、PKA経路の阻害および活性化を行った。その結果、Ca9-22においてPKA阻害剤(H89)で処理されたTNF-αはRANKL mRNAおよびRANKLタンパクの発現を有意に減少させ、PKA活性化因子(Forskolin)で処理されたTNF-αはRANKL mRNAおよびRANKLタンパクの発現を有意に増加させた。次に、歯肉上皮細胞の発現するRANKLが実際に機能するか否かを検証するために、破骨細胞前駆細胞と歯肉上皮細胞を共存培養した。その結果、わずかではあるが破骨細胞が形成され、TNF-α, Forskolin処理により、形成される破骨細胞数は増加した。歯肉上皮細胞はTNF-α-PKAシグナルを介したRANKL産生により破骨細胞形成を支持することが示唆された。
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