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2011 年度 実施状況報告書

動脈硬化発症時の血清アミロイドAの役割

研究課題

研究課題/領域番号 23792491
研究機関松本歯科大学

研究代表者

西田 英作  松本歯科大学, 歯学部, 助教 (10512519)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード歯周病 / 動脈硬化症 / 血管内皮細胞 / 単球遊走因子 / 単球接着因子
研究概要

C57BL/6Jマウスの歯周組織にIL-6を注入、局所の炎症を惹起させたところ、肝臓でのSAAのmRNA発現、血中SAA蛋白の上昇を確認した。このことは、歯周病によって血中SAA濃度が上昇した場合、炎症反応による血管内皮障害を起こし、MCP-1、IL-6、ICAM-1、VCAM-1等を発現するようになり、単球やTリンパ球、好中球などの炎症性細胞が血管壁へ浸潤し、動脈硬化発症のトリガーとなる可能性が考えられる。しかしながら、SAA産生上昇による動脈硬化症の発症、悪化の程度は解明されていない。そこで、本年度はヒト血管内皮細胞(human aortic endothelial cell: HAEC)に直接SAAを作用させることによってHAECにどのような分子変化が起きているか検討した。 継代数6代目のHAECを1wellにつき5,000cells/cm2の割合で播種し、コンフルエントに達した後、ヒトリコンビナントSAA(25ug/ml)を添加した。コントロールとしてはPBSを添加した。添加後0時間、6時間、12時間、24時間経過したHAECを回収、total RNAを抽出し、逆転写反応にてcDNAを合成した。それぞれの細胞において、ICAM-1、VCAM-1、MCP-1、SAA1、IL-6、GAPDHのmRNA発現をリアルタイムPCR法にて確認した。 コントロールと比較して、HAECにSAAを添加することにより単球の走化・接着因子mRNAは24間以内で約100~800倍の発現上昇を認めた。また、 SAA刺激により HAECに炎症性サイトカインmRNAの発現上昇がみられた。HAECにはSAAmRNAは発現しないことが明らかになった。 すなわち、HAECにSAAを添加することによって単球の走化および接着因子の上昇がみられ、動脈硬化の初期病変段階の分子生物学的過程が確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画書では、SAAを添加するこによってヒト血管内皮細胞における遺伝子発現の変化をを見ることと、発現するタンパクの変化を確認することが本年度の目標であった。現在、遺伝子発現を確認することは終了しているが、タンパク発現の確認は行っていない。しかしながら、来年度の実験計画予定に支障は無いため、さらには実験系は本年度で確立することができたため、すぐにタンパク実験に移行することも可能であるゆえ、おおむね順調に進行しているとした。

今後の研究の推進方策

来年度は、SAAの発現抑制によって動脈硬化発症を低下させることができるか確認する。動脈硬化の起こりやすい大動脈弓付近は、血流量が多く、ウイスルベクターの導入は期待できると思われる。動脈硬化易形成マウス(ApoEノックアウトマウス)にShSAAを腹腔内投与し、動脈硬化発症の初期所見である脂肪沈着量を比較、検討する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額として約1万5000円程度繰越した。本年度は、おおむね研究計画どおり研究を遂行できたため、次年度使用額から大きく実験計画が変更されることはないと予測できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 培養ヒト血管内皮細胞に対する血清アミロイドA(SAA)の効果2011

    • 著者名/発表者名
      西田 英作
    • 学会等名
      第6回日本歯周病学会中部地区大学日本臨床歯周病学会
    • 発表場所
      朝日大学(岐阜県)
    • 年月日
      2011 – 116

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公開日: 2013-07-10  

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