研究課題
歯周病患者で血中濃度が上がると報告されている炎症性サイトカインであるIL-6とTNF-αの測定をマイクロチップ基板上で行った。前年度にIL-6とTNF-αを別々のマイクロ流路内で迅速(抗原抗体反応:35分)、高感度(検出限界:2 pg/ml)に検出するための実験条件(一次抗体濃度、吐出パターン、ブロッキング条件、抗原抗体反応温度など)については詳細な検討を行った。そこで、本年度は1本のマイクロ流路内でIL-6とTNF-αを同時に測定することが可能な実験条件について検討を行った。1. IL-6抗体とTNF-α抗体の特異性を確認:1本の流路内にIL-6とTNF-αの両方の一次抗体を固定化し、ブロッキング後、IL-6抗原, IL-6のHPR標識二次抗体, TNF-αのHPR標識二次抗体の混合液を流路に入れ、抗原抗体反応を行い、IL-6の一次抗体を固定化した部位のみが特異的に反応することを確認した。同様の実験をTNF-αについても行い、TNF-α抗体の特異性を確認した。2. IL-6とTNF-αの検量線が作成できる条件を検討:1本の流路内にIL-6とTNF-αの両方の一次抗体を固定化し、ブロッキング後、IL-6抗原、TNF-α抗原、IL-6のHPR標識二次抗体、TNF-αのHPR標識二次抗体の混合液を流路に入れ、抗原抗体反応を行い、検量線が作成できることを確認した。3. 既存法(96穴ELSIA法)との相関を確認:ヒト血漿を使用し、96穴ELISA法とマイクロチップ法での測定値に相関を確認したが、マイクロチップ法での測定値が96穴ELISA法より高い値となり相関は得られなかった。現在、相関を得るために詳細な実験条件の検討を進めている。
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PLOS ONE
巻: 8(1) ページ: e53620
DOI:10.1371/journal.pone.0053620