研究課題/領域番号 |
23792496
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
細川 亮一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (40547254)
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キーワード | 創傷治癒 / 口腔粘膜炎 |
研究概要 |
本年度は引き続き、細胞培養モデルの確立と細胞培養の結果からの遺伝子解析を含めた分子生物学的アプローチの為の条件設定を行った。(細胞培養モデル確立の意義について)本研究では、現在臨床において使用されている薬剤の効果とその作用機序の解析を目的としている。作用機序を分子生物学的に明らかにする事によって、がん治療の完遂率に悪影響を与えている口腔粘膜炎による摂食障害に対する新しい局所応用による治療法や予防法の確立、ならびに、増殖因子等を用いた新薬にたいする、口腔粘膜への副作用の確認に用いる事が出来ると考えられる。平成24年度の研究では、細胞培養モデルにおいてHEK293細胞を用いて、スクラッチテスト並びに、試薬の添加実験によるタンパク質の発現と細胞分裂能について検索を行った。試薬としてプロマックの原末をゼリヤ新薬工業株式会社から、また半夏瀉心湯の原末を株式会社ツムラから無償提供を受けた。 現在行っている条件下の実験において添加群とコントロール群で差を示したのは、ポラプレジンクであった。スクラッチテストでは、添加群にいてスクラッチ周辺の細胞の密集度が増加し、スクラッチ部がコントロールグンと比べると早く細胞で満たされた。この、細胞密度が上がる機序として細胞増殖能をBrdUの免疫染色で確認したところ、添加群において細胞増殖が盛んになっている事が示された。また、アクチンフィラメントの免疫染色において添加群とコントロール群を比較すると、細胞膜周囲の発現が、コントロール群では鮮明であるのに対して、添加群では不鮮明となっており、発現様式の変化が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響で、実験室の引っ越しが2度あり、その為に実験条件の確認を行わなければならず、実験の再現性の確保の為に時間を要してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
現在のスクラッチテストでは、再現性に問題があるため、本年度からマイグレーション アッセイキットを用いて再現性の良い研究を進め、効率化を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
マイグレーション アッセイキットを新たに購入する予算として使用する
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