口腔バイオフィルム(OB)内の諸基質の代謝及び薬物や代用糖などによる実際の影響を、CE-TOFMSを用いたメタボローム解析手法でin vivoで解明することを試みた。 その結果、OB中では、糖以外にグルタミン、グルタミン酸などが実際に基質として利用されること、また、各種アミノ酸は、各々特徴的な代謝で分解されることが示唆された。また、実際のOBにおいても、フッ化物は糖代謝(エノラーゼ阻害及び乳酸産生抑制)に影響することが観察され、さらに他の代謝反応にも影響することが示唆された。一方、キシリトールは、洗口後にキシリトール5リン酸の蓄積が見られたが、OB内の糖代謝はほとんど抑制しないことが示唆された。
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