研究概要 |
本年度では、抗てんかん薬カルバマゼピンが骨代謝にどのような影響を与えているかについて検討した。まず、in vivo におけるカルバマゼピンの効果について検討するためにラット脛骨を用いた慢性投与実験を行った。70g雄性wistarラットを用いてカルバマゼピンを一日一回背部皮下に35日間投与し、脛骨における骨の評価をμCTを用いて行った。試薬の調整はその都度行い、難溶性である薬物であることから0.5%tween溶液にsuspendして用いた。用量は12.5mg/kg/day, 25mg/kg/day, 50mg/kg/day,100mg/kg/day, vehicleとした。 例数は各群6とした。餌と水については自由に供与した。なお、実験終了時各群の体重に有意な違いを認めなかった。その結果、脛骨metaphysi部における3Dにおける検討で、定性的評価であるが、各群で、骨量構造に大きな変化を認めなかった。一方で2Dにおける検討では50mg/kg/day, 100mg/kg/dayの投与群で骨密度の増加を認めている。このことから、この変化は3Dでの骨梁構造の変化からもたらされたものではなく、石灰化の程度によりもたらされたものであることが示唆された。したがって、カルバマゼピンの骨量増加作用は、主として高石灰化によりもたらされたものととらえることができるが、より詳細な3D構造の検討を骨形態計測学的手法で行い明らかにする必要がある。、
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