研究課題/領域番号 |
23792502
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大山 篤 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50361689)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 歯学教育 / 教育評価 / OSCE / 臨床能力試験 / 卒前教育 / 臨床教育 / キャリア支援 / 実技試験 |
研究概要 |
現在、臨床実習終了時の臨床能力の評価はOSCE(Objective Stractured Clinical Examination、客観的臨床能力試験)で行われていることが多いが、臨床能力試験については多角的な検討が必要と考えられる。平成23年度はOSCE で評価できる臨床領域の臨床能力評価に関する研究を開始した。1.臨床実習およびOSCE に関する社会的認知度を検証するため、インターネット調査を実施した。その結果、回答者620名のうち66%が大学病院で学生の臨床実習が行われていることを知っており、93%が臨床実習終了時に臨床能力試験が必要だと考えていた。調査のデザイン等については、すでに研究機関のセミナーにて発表した。現在、未公表の分析結果に関して学会発表するために演題登録している。2.諸外国における国家試験OSCE の実態調査については、現在、カナダや韓国などで実施されている医師・歯科医師国家試験OSCE の実態を調査するため、インターネットや文献などにより入手可能な情報の収集を行った。3.OSCE 実施課題の妥当性では、東京医科歯科大学の臨床実習終了時OSCE で実施した課題の妥当性を検証した。また、OSCE 運営の省力化の検討では、共用試験OSCE や臨床実習終了時OSCE の経験などをもとに、OSCE 運営全般の省力化に関する情報を収集した。第76回口腔病学会において、その結果について学会発表を行った。さらに関連した内容を学術誌に投稿を行った。課題内容は概ね妥当であり、また、OSCEの省力化しすぎると、リスクマネジメントに支障が生じる可能性が示唆された。4.OSCE 実施に関する費用対効果分析について、OSCE の実施には多くのスタッフの協力や、実際の臨床と同じ器材や歯科材料の準備などが必要であるため、費用対効果分析のための費用の調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に計画していた研究はおおむね予定通りに達成している。平成24年からのシミュレーション教育に関する部分は、予定よりも準備が若干進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は平成23年度から実施した調査結果をまとめていく予定である。さらに、以下のOSCE で評価できない臨床領域の研究を開始する。1.OSCE で評価できない領域におけるシミュレーション教育の活用方法の研究では、OSCE で評価できない領域におけるシミュレーション教育の活用方法について検討する。特に本学で開発・活用されている医歯学シミュレーション教育システムを効果的に活用することにより、シミュレーション教育を用いた新しい臨床能力の評価方法を検討する。2.臨床能力評価に関するOSCE 代替案の検討するため、OSCE では評価できない臨床技能の評価法として、シミュレーション教育の活用以外にも新たな評価方法を具体的に検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、主に臨床実習終了時の臨床能力試験の実態調査や情報収集のための旅費、研究成果の学会発表や論文作成費、統計ソフトウェアの更新などに使用する予定である。
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