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2011 年度 実施状況報告書

歯周病予防としてのトレハロース摂取の有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23792513
研究機関岡山大学

研究代表者

遠藤 康正  岡山大学, 大学病院, 医員 (50580213)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードトレハロース / 歯周炎 / ラット / 破骨細胞
研究概要

本研究の目的は、ラット歯周病モデルを用いて、トレハロースを歯周組織に直接塗布することによる影響を組織学的・分子生物学的に検証することである。平成23年度では、実験的に炎症を惹起させたラット歯周組織の変化を、トレハロース塗布の有無及び濃度で比較検討した。実験期間は2週間とし、歯周炎は上顎臼歯周囲の歯肉溝に絹糸を巻いて惹起させた。絹糸を巻いた翌日から、蒸留水、30mg/mlトレハロース水溶液、60mg/mlトレハロース水溶液を1日1回歯肉溝に塗布した。その結果、歯周炎惹起と同時に蒸留水を塗布した群では、付着上皮直下結合組織における炎症性細胞浸潤と、歯肉におけるTNF-αの遺伝子発現が顕著に増加していた。また、歯周組織におけるTRAP陽性破骨細胞数やRANKL陽性細胞数も増加していた。さらに、歯肉におけるRANKL、TLR4の遺伝子発現についても増加していた。一方、歯周炎惹起と同時にトレハロース水溶液を塗布した2群では、付着上皮直下結合組織における炎症性細胞浸潤、歯肉におけるTNF-αの遺伝子発現、歯周組織におけるTRAP陽性破骨細胞数、RANKL陽性細胞数が全て減少していた。RANKL、TLR4の遺伝子発現についても減少していることが確認された。これらの評価項目について、濃度の違うトレハロースを塗布した2群間の比較では、有意な差は確認されなかった。本研究の結果は、トレハロースは歯周組織においてTLR4を介したRANKL発現の抑制により破骨細胞分化を抑制し、歯周炎による歯槽骨吸収を抑制する可能性があることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度では、塗布実験実施、歯周組織の組織定量分析、歯周組織中の炎症性サイトカインの分析を計画し、全て終了している。

今後の研究の推進方策

平成24年度では、歯肉biopsyからタンパクを抽出し、RANKL発現に関連するタンパクの分析を、ウェスタンブロット法を用いて行う。また、成果を論文及び学会にて発表する。

次年度の研究費の使用計画

ウェスタンブロット法を行う際に必要な器具、試薬を購入する。また、論文作成の際の英文校正、学会発表に必要な経費も賄う。

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公開日: 2013-07-10  

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