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2012 年度 実績報告書

歯周病予防としてのトレハロース摂取の有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23792513
研究機関岡山大学

研究代表者

遠藤 康正  岡山大学, 大学病院, 医員 (50580213)

キーワード動物実験 / 破骨細胞 / 歯周炎 / トレハロース
研究概要

本研究の目的は,ラット歯周病モデルを用いて,トレハロースを歯周組織に直接塗布することによって与えられる影響を組織学的・分子生物学的に検証することである。
平成23年度では,実験的に炎症を惹起させたラット歯周組織に対して蒸留水及びトレハロース水溶液を塗布し,組織学的変化及び遺伝子発現の変化について比較検討した。その結果,トレハロースは歯周組織においてTLR4を介したRANKL発現を抑制することにより破骨細胞分化を抑制することが示唆された。
平成24年度では,歯肉からタンパクを抽出し,ウェスタンブロット法によりRANKL発現経路に関連するタンパクの発現量を分析した。その結果,TLR4及びそのアダプター分子であるMyD88のタンパク発現がトレハロース塗布により抑制されていた。また,RANKL発現経路に関連するタンパクであるPKC,ERKの活性化(リン酸化)についても,トレハロース塗布により抑制されていた。次に,リン酸化ERKの局在を確認するため免疫染色を行ったところ,蒸留水を塗布した群において歯槽骨表面にリン酸化ERK陽性細胞が多く認められたが,トレハロースを塗布した群ではその数は少ない傾向にあった。さらに,トレハロースがリポポリサッカライド自体に影響を与えていないか調べるため,その構成要素であるリピドAの免疫染色を行った。その結果,トレハロースの有無によらず,実験的歯周炎を惹起させたラットの歯肉溝上皮直下においてリピドAの発現が認められた。以上のことから,トレハロース塗布による歯周組織における破骨細胞分化抑制の機序として,TLR4の発現抑制及びその下位に存在するMyD88,PKC,ERKを介したRANKL産生経路の活性化抑制が関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Preventive effects of trehalose on osteoclast differentiation in rat periodontitis model2013

    • 著者名/発表者名
      Yasumasa Endo
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Periodontology

      巻: 40 ページ: 33-40

    • DOI

      10.1111/jcpe.12032.

  • [学会発表] TREHALOSE SUPPRESS OSTEOCLAST DIFFERENTIATION ON ALVEOLAR BONE THROUGH INACTIVATION OF PKC/ERK PATHWAY IN RAT PERIODONTITIS MODEL2012

    • 著者名/発表者名
      Yasumasa Endo
    • 学会等名
      American Academy of Periodontology 98th Annual Meeting
    • 発表場所
      アメリカ、ロサンゼルス
    • 年月日
      20120929-20121002
  • [学会発表] Trehalose suppresses osteoclast differentiation in rat periodontitis2012

    • 著者名/発表者名
      Yasumasa Endo
    • 学会等名
      91th General Session & Exhibition of the IADR
    • 発表場所
      ブラジル、イグアス
    • 年月日
      2012-06-23

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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