研究課題/領域番号 |
23792519
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
新井 恵 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (40331350)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 口腔ケア / 特別養護老人ホーム / 歯科衛生士 |
研究概要 |
高齢社会となり、高齢者の健康を維持するために誤嚥性肺炎の予防は重要である。特別養護老人ホーム(以下、特養)の入所高齢者に対し、歯科衛生士が行う口腔ケアの実施状況と課題、介護職員と歯科衛生士の連携体制について検討した。 平成23年7月に、インターネットサイトWAM NET(独立行政法人福祉医療機構運営)に掲載されている埼玉県内261の特養で口腔ケアを行っている歯科衛生士を対象とし、実施状況や、職員と歯科衛生士の連携状況等に関する無記名自記式質問紙調査を実施した。 37名の歯科衛生士から回答(回収率14.2%)を得た。勤務形態は、歯科医院に常勤14名(37.8%)、歯科医院に非常勤4名(%)、歯科衛生士会にのみ所属1名(2.7%)、特別養護老人ホームに常勤 2 名(5.4%)と続いた。 特養との関わりは、勤務先の訪問歯科20名(54.1%)、歯科医師会のモデル事業に参加1名(2.7%)、訪問歯科サポート業1名(2.7%)、歯科医師会の訪問歯科に同行1名(2.7%)、歯科衛生士資格のある看護師1名(2.7%)、併設特養の病院歯科に勤務1名(2.7%)等であった。口腔ケア実施者は、歯科医師平均1.38名(±0.82名)、歯科衛生士は2.11名(±1.67名)であった。他にはコーディネーター8名、歯科助手6名が関わっていた。施設の窓口は、看護師が15名(40.5%)、介護士9名(24.3%)、相談員6名(16.2%)等であった。 口腔ケアを行うために特養に滞在する時間は、2.67時間(±1.78時間)であった。口腔ケア実施人数の平均は24.6人(±23.3人)であった。口腔ケアの頻度は、ほとんど差はなかったが、口腔ケアを実施する人数および時間は施設間で大きな差があった。 今後、具体的な口腔ケアの内容、特養職員との連携状況等を分析し、よりよい連携体制について検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自身の行った先行研究や文献検討から、特別養護老人ホームで専門的口腔ケアを実施する歯科衛生士の状況と、介護職員の連携についての質問紙を作成した。 更に埼玉県261特別養護老人ホームで口腔ケアを実施している歯科衛生士に無記名自記式質問紙調査を実施した。 現在単純集計まで終了している。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙調査で得た結果を統計学的に検討し、特別養護老人ホームにおける歯科衛生士と介護職員の口腔ケアのよりよい連携について検討する。 結果は歯科衛生学会学術大会に発表をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度の研究費残金および平成24年度の研究費を活用し、以下の通りに使用する。 文献整理や質問紙調査のデータ整理の人件費を計上する。 資料整理の文具や棚を購入する。 統計学的検討を行うため、パソコンと統計ソフトを購入する。 データの読み取りについて統計学の専門家からアドバイスを受ける。 歯科衛生学会学術大会で発表するための学会参加費や旅費を計上する。歯科衛生学会に論文投稿する。 報告書を作成し、研究協力施設に配布する。
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