口腔の健康を良好に保つことは、全身の健康やQOLの維持において意義深いが、要介護高齢者の口腔ケアの課題は少なくない。その原因解決の鍵は、地域で口腔ケアを担う歯科衛生士の存在であると考え、歯科衛生士の役割に注目し1)養成教育の変遷と現状、2)歯科職能団体における口腔ケア支援機能、3)地域包括支援センターの口腔ケア支援機能、4)先駆的な歯科衛生士の取り組みを調査・分析した。 調査の結果、職能団体の組織的取り組みは地域の歯科医療と口腔ケアの推進の大きな力となるものの、有機的な連携に依然として改善の余地がある。先駆的な教育や実践事例の紹介を通し、歯科衛生士の職域を拡大することが望ましいと考えられた。
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