現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口臭患者の唾液中のβ-galactosidase活性の定量解析によって、本酵素による糖タンパク分解がVSCs産生に大きく影響することが示唆された。また、唾液を超遠心分離し上清と沈殿にわけ、酵素の局在を調べたところ、沈殿成分に活性があり上清成分には活性がみられず、本酵素活性は菌体の表面に存在することがわかった。続いて、8種のグラム陽性菌標準菌株の培養液についてβ-galactosidase活性を比較したところ、いずれも0.5~0.9 units/mLの範囲で活性を示し、S. mitis ATCC 903株が最も強い活性を示した (0.9 units/mL)。 T-RFLPを利用して口臭患者の唾液中の細菌叢をプロファインリングし、口臭に関連の強い口腔フローラを構成単位で見いだした。口臭の強い細菌叢ではPrevotella, Veillonella, Fusobacterium, Porphyromonas, Parvimonas, Neisseria, Haemophilus, Aggregatibacterが特徴的にみられ、口臭の弱い細菌叢ではStreptococcus, Granulicatella, Rothia, Treponemaが高い割合を示した。またStreptococcusは全てのタイプの口腔内において優勢であった。次にH2S/CH3SH比が極端な値を示す重症口臭患者と口臭がほとんど認められない被験者について、唾液中の細菌構成の解析を行った。H2S高産生群では、他の2群に比べNeisseria, Fusobacterium, Porphyromonas, SR1の割合が特徴的に高い一方で、CH3SH高産生群ではPrevotella, Veillonella, Atopobium, Megasphaera, Selenomonasの割合が高かった。
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