• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

看護学研究に求められる倫理性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23792537
研究機関独立行政法人国立循環器病研究センター

研究代表者

松井 健志  独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 室長 (60431764)

キーワード社会医学 / 看護学 / 研究倫理 / 医学教育
研究概要

平成24年度は研究2年目である。昨年度から実施する看護学研究および研究倫理に関する国内並びに国外の文献資料を収集して文献学的検討を行い、本年度では先ず、看護学研究に関する種々の倫理指針の米国における形成過程について明らかにした。米国では、1950年代から始まる医学研究における被験者保護強化への国内政策の展開に並行する形で看護学研究の倫理指針の策定が進められ、特に1978年にBelmont Reportが発表されると、そこにおいて示された人を対象とする研究に求められる倫理原則に基づいて看護学研究の倫理指針の基本骨格が形成されたことが明らかとなった。この成果については論文にまとめ専門誌に現在投稿中である。加えて、日本での看護学研究に関する倫理指針の形成過程についても調査を進めており、とりわけ米国との比較における日本での特徴について分析を進めているところである。
また、研究協力者の助力を得て、国内某看護大学1施設において看護学教員を対象にした自記式アンケート調査を行い、看護学研究における研究対象者や研究内容の特徴並びに看護学研究者が研究計画の実施にあたって力点を置く倫理原則の特徴について把握した。本調査からは、①質的研究と量的研究の実施割合には大きな差はない可能性がある、②既存資料を用いた後ろ向き研究や非侵襲的測定または侵襲的測定を伴う前向き観察研究の実施割合は少ない、③質問紙調査やインタビュー調査が主である、④同意能力のある患者、看護師/助産師/保健師、医療系学生を研究対象者とすることが多い、ことなどが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

看護学研究における倫理的課題の特徴が、歴史的文献学的調査およびアンケート調査から次第に明らかになりつつあり、当初の研究目的に従って順調に進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

一部を除きほぼ当初計画にしたがって研究が進められているため、引き続き文献学的研究を実施するとともに、平成25年度からは看護学研究のための研究倫理教育プログラム初級編の開発と検証を主体に進めていく予定である。この開発する初級教育プログラムについては、看護学研究者を対象とするセミナーを試行的に行い、教育プログラムの改良につなげる。また、看護学研究の倫理審査における審査ガイドの教材となる具体的ケースの収集等を開始する予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初計画よりも消耗品を少しだけ安価に購入することができたため、若干の予定研究費を次年度に持ち越すこととなった。次年度に持ち越した分の研究費は、主として看護学研究のための研究倫理教育プログラムの開発に必要となる資料・情報収集および教育セミナーの開催に必要となる経費のために使用することを考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] 看護研究に求められる倫理

    • 著者名/発表者名
      松井健志
    • 学会等名
      新潟県立看護大学FD研究倫理研修会
    • 発表場所
      新潟県立看護大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 人を対象とする研究における倫理

    • 著者名/発表者名
      松井健志
    • 学会等名
      第77回日本循環器学会学術集会・コメディカルセッション
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 招待講演
  • [学会発表] プロフェッショナルとしての人間形成を目指した研究倫理教育

    • 著者名/発表者名
      松井健志
    • 学会等名
      徳島大学倫理委員会30周年記念研究倫理シンポジウム
    • 発表場所
      徳島大学病院
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi