研究課題/領域番号 |
23792548
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
益 加代子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (80511922)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 外国人看護師 / 経済連携協定 / キャリア / 就労支援ストラテジー |
研究概要 |
本研究は2年間の研究期間で、EPAで来日したインドネシア人看護師候補者の就労実態をとらえ、インドネシアの看護業務について社会的・文化的背景をふまえた特徴を明らかにし、候補者のインドネシアでのキャリアを活かすことができる就労支援ストラテジーを開発することを目的としている。 平成23年度は、まず、インドネシアのジャカルタで、帰国したインドネシア人看護師候補者13名にグループインタビューと質問紙調査を実施した。調査内容は、帰国後の就労状況、日本での看護補助者としての仕事内容とその仕事をすることへの思い、さらには日本とインドネシアとの看護業務の違い等である。この結果、候補者は看護補助者として働くなかで、看護師と協働したい意識を持っていたこと、そして協働を通して学んだことを看護師国家試験の学習や将来、看護師と働く際に役に立てたいと考えていること等が明らかになった。これらの結果については、学会発表する予定である。 次に、国内の受け入れ病院での調査を行った。この調査は5施設に依頼し、これまでに2施設から同意を得て、インドネシア人看護師候補者3名、候補者とともに働く日本人看護師2名、および候補者の配属部署の看護管理者2名にインタビューを行った。同時に、候補者の就労状況について参加観察を行った。これらのデータから、候補者が国内の受け入れ病院において、日常的な仕事の状況を把握することができた。またそれに伴う困難や課題を候補者の側だけでなく、日本人看護師の側からも知ることができた。 以上の調査で、インドネシア人看護師候補者の日本の病院での就労実態や就労の仕方へのニーズが明らかになった。このデータをもとに平成24年度はインドネシアでの調査により、インドネシアの病院における看護業務の実態を捉え、日本との違いを明らかにしていき、就労支援ストラテジーの開発につなげていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度の国内受け入れ病院調査は、5施設程度と計画していたが、調査日程の都合上、まだ2施設でしか行えていない。インドネシア人看護師候補者は看護補助者として就労しており、この看護補助者の業務内容は、明確な規定がなく、病院によりきわめて多様である。この多様性を把握するためには、平成24年度にも引き続き国内調査を行い、データの蓄積が必要である。また同時に、平成24年度に計画しているインドネシア調査の計画・実施をしていく。 さらに、平成24年度は研究最終年度であり、研究成果である就労支援ストラテジーを開発する計画であるため、年末までにはデータの収集を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の国内調査(今後のデータも含めて)をまとめ、結果の発表を行っていきたい。また、関連図書や関連学会からの情報も収集した上で、平成24年度に予定しているインドネシアでの病院調査および関連機関でのヒヤリングの内容を確定していく。インドネシアでの調査は年度前期には計画を立案し、倫理委員会での承認を早めに得ておく。そして、年内にはデータの収集を終え、平成25年1~3月の間で就労支援ストラテジーを開発していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度はインドネシアでの調査予定であるため、主にその渡航費および通訳や翻訳の謝金等で研究費を使用する予定である。また、就労支援ストラテジーは試案を作成したのちに、国内調査協力病院の協力者と意見交換を行う予定であり、その旅費も研究費に計上している。
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