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2012 年度 実施状況報告書

高齢者の失禁ケアに関わる生理的加齢変化についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 23792554
研究機関山形大学

研究代表者

高梨 あさき  山形大学, 医学部, 非常勤講師 (60567361)

キーワード排尿機能 / 加齢変化 / Fischer344rat
研究概要

多くの高齢者を悩ませ看護介入の頻度も高い排尿機能の加齢変化に着目し,それにかかわる様々な修飾因子を排除するために,実験動物を用いて排尿機能の加齢変化の有無を明らかにし,根拠に基づいたより良いケア技術の確立,および効果的な治療方法の開発のための基礎的データを得ることを目的として以下の研究を行っている.
自然老化モデル動物であるFischer344ラット雄性young(3ヶ月齢、以下Y),young-adult(5~6ヶ月齢、以下y-A)をそれぞれ1匹づつ代謝ケージに飼育し,1日総排尿量と1回尿量および排尿回数を測定し,ラットの活動時間にあたる暗期と休息時間にあたる明期で排尿間隔を比較した.その後これらの動物は解剖し膀胱の状態を観察した.
その結果,排尿間隔はいずれの月齢においても活動時間に当たる暗期よりも休息時間に当たる明期の方が長い傾向にあったが,排尿回数と1回排尿量を比較するとYとy-Aでは排尿パターンが異なる可能性が示唆された.今後はAged(26ヶ月齢以上)ラットでも同様の実験を行い,加齢変化を明らかにしていく.ただし解剖の結果,今回使用したFischer344ラットでは膀胱内に結石様物を認めた動物が多く,今後例数を重ね結石による影響と加齢変化を区別して解析していく予定である.
また加齢による過活動膀胱などの原因としてムスカリン受容体以外が多く関連しているとの報告もあり,アトロピン抵抗性収縮の機序を明らかにするため摘出膀胱による収縮機能実験も行っている.しかし,上述の通り,結石様物を保有している動物が多く,結石による影響を区別して解析していく予定としている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初youngとagedラットを使用する計画としyoungの実験はほぼ予定通り行えたが,agedはその月齢に達するまで長期間の飼育が必要のため,現段階ではagedの実験は行えていない.しかし,その代替えとしてyoung-adult(5-6ヶ月齢)についても研究中であり,agedについても2013年6月以降に順次実験可能となる.
また,収縮機能実験には各月齢ラットから採尿した尿を使用する予定としていたが,新鮮尿の採尿手技自体も困難な上,今回使用している動物では膀胱内に結石様物を保有している確率が高くさらに採尿が困難な状況のため尿を使用した収縮機能実験は断念した.その代りにアトロピン抵抗性収縮に関わっている可能性のある物質としてセロトニンに対する収縮機能実験を行っている.
上述のとおり多少の研究計画の変更はあったが代替えの実験も行っており,おおむね順調に進展していると考える.

今後の研究の推進方策

今後はyoungとyoung-adultに加えagedラットの排尿回数等の測定と,摘出膀胱を用いた収縮機能実験を引き続き行う予定としている.収縮機能実験では加齢による過活動膀胱に関連していると考えられているアトロピン抵抗性収縮について,その可能性のあるセロトニンを用いて引き続き実験を行う予定である.また,その機序を明らかにしていくために各種antagonistsも使用して検討する予定であり,さらに受容体結合実験により受容体数の比較実験なども計画している.また,膀胱に結石様物を保有していた割合が高かったため,組織学的評価も行う予定である.

次年度の研究費の使用計画

今後も排尿回数等の測定,摘出膀胱での収縮機能実験,受容体結合実験,組織学的実験等を行う計画としており,それらに使用する各種試薬と消耗品に加え,使用している動物は結石様物の保有率が高く,排尿回数や収縮機能がその影響を受けている可能性もあるため,使用する動物の数を増やすなどして実験を行う必要があり,追加の動物を購入する予定である.また,現在非常勤講師であるため,自宅の埼玉から研究室の山形までの交通費と学会発表のための出張費等にも使用する計画である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 排尿パターンの加齢変化の有無についての検討

    • 著者名/発表者名
      高梨あさき,酒井亜月,石幡明,片野由美
    • 学会等名
      基礎科学をもとにしたCo-medical研究会
    • 発表場所
      山形大学医学部看護学科(山形市)

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公開日: 2014-07-24  

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