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2013 年度 実績報告書

高齢者の失禁ケアに関わる生理的加齢変化についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 23792554
研究機関山形大学

研究代表者

高梨 あさき  山形大学, 医学部, 非常勤講師 (60567361)

キーワード排尿機能 / 加齢変化 / 排尿リズム
研究概要

最終年度では,老齢ラットについて実験を行った。老齢ラットの排尿リズムを代謝ケージにて測定した結果、測定前の飼育環境の違いによって老齢動物では特に個体差が大きかった.これまで測定した若齢,成熟齢との比較では,1日飲水量は若齢に比べ成熟齢と老齢で少なく,特に飼育前に複数飼育していた動物では顕著に飲水量が少なく体重比では有意差を認めた.1回尿量の平均は若齢に比べ成熟齢と老齢で有意に増加,1日総排尿量の平均は加齢とともに増加傾向にあったが,体重比ではいずれも各群間で有意差を認めなかった.排尿回数は若齢に比べ成熟齢と老齢では少ない傾向にあったが,有意差は認めなかった.
一方,摘出膀胱平滑筋短冊標本における収縮機能実験の結果,これまで行った若齢や成熟齢と比べても、老齢で収縮力の低下や過活動膀胱を示すような反応は確認できなかった。
以上の結果から,加齢により排尿量は有意に増加するが体重比で比較すると有意差を認めず,体重差によるものと考えられた.そして,排尿頻度は加齢によって頻尿ではなく,むしろ減少傾向となる可能性が示された.また,老齢では飼育環境によって排尿機能に関わる飲水量が大きく影響をうけており,単純な比較が難しい事が明らかとなった。つまり,老齢では飼育環境による個体差が大きいものの、加齢に伴い頻尿を呈する確率は低く,膀胱平滑筋自体の収縮力の低下や,過活動膀胱を示す所見も認めなかったため,加齢によって過活動膀胱傾向になる可能性は低いことが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 飼育環境の変化が高齢ラットの摂食,飲水量と排尿行動に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      高梨 あさき,酒井 亜月,後藤 のぞみ,石幡 明
    • 雑誌名

      基礎科学をもとにしたCo-medical研究会誌

      巻: 2 ページ: 校正中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 排尿パターンの加齢変化の有無についての検討2013

    • 著者名/発表者名
      高梨あさき,酒井亜月,石幡明,片野由美
    • 雑誌名

      基礎科学をもとにしたCo-medical研究会誌

      巻: 1 ページ: 13-16

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット膀胱体部平滑筋自発性収縮に対するセロトニンの作用

    • 著者名/発表者名
      高梨 あさき,酒井 亜月,後藤 のぞみ,石幡 明
    • 学会等名
      第20回日本排尿機能学会
    • 発表場所
      静岡(グランシップ)
  • [学会発表] 飼育環境の変化が高齢ラットの摂食,飲水量と排尿行動に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      高梨あさき、酒井亜月、後藤のぞみ、石幡明、片野由美
    • 学会等名
      第3回基礎科学を基にしたCo-medical研究会
    • 発表場所
      山形(山形大学医学部看護学科)
  • [学会発表] 未病の視点からみた加齢による排尿機能の変化

    • 著者名/発表者名
      高梨 あさき,酒井 亜月,後藤 のぞみ,石幡 明
    • 学会等名
      第20回 日本未病システム学会
    • 発表場所
      東京(学術総合センター)

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公開日: 2015-05-28  

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