これまで経験的に高齢者に頻尿が多いことが知られていたが、実験動物を用いた本研究により、加齢とともに膀胱の収縮機能が一様に衰え頻尿傾向になるという仮説の実証には至らなかった.実験動物においても飼育環境やその環境変化によるストレスが飲水行動等に深く影響し、排尿頻度もその影響を受けていると考えられた.つまり、加齢とともに必ず頻尿傾向になるわけではなく、ストレスと飲水行動が頻尿に関わる可能性を明らかにしていくことが、多くの高齢者が持つ排尿に関わる悩みを解決するための診断指標や新たな治療、看護援助につながる可能性があると考えている。
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