研究課題/領域番号 |
23792557
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
立石 彩美 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (00514861)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | マインドフルネス / 看護師 / メンタルヘルス |
研究概要 |
1.平成23年度の研究成果の具体的内容 当該年度の目標は、看護師を対象とした、ストレス低減のためのマインドフルネスプログラムを作成することであり、まず先行研究のレビューを実施し、専門家や書籍などからの情報収集を行い、看護師向けの8週間のマインドフルネスプログラムを作成した。先行研究のレビューでは、PubMedやPsycInfo、医学中央雑誌の文献データベースを用い、対人援助職を対象としたマインドフルネスに関する研究を検索し、抽出された252件のうち介入研究13件をレビューした。マインドフルネスの効果として、対人援助職のメンタルヘルス改善への効果、職務効力感・生活満足感への効果、入居者の攻撃行動へのスタッフの介入数の減少や、身体拘束の使用・頓服薬使用の減少等、スタッフと入居者への効果が示唆されていた。対人援助職を対象としたエビデンスレベルの高い介入研究はまだ少なく、今後RCTなどを蓄積し、メタアナリシスを行う必要性が示唆された。次年度の研修・調査の実施に向け、協力が得られた1病院の看護部長、教育担当者と実施スケジュールなどを検討した。次年度は、リーダークラスの看護師を対象に、研究への同意が得られた対象者を介入群と待機群にランダムに割り振り、介入群に平成24年6月~7月に研修を実施し(待機群には10月~11月に実施)、介入前後とフォローアップ時に自記式質問紙によって、精神的健康度やバーンアウト等の評価を行う予定である。2.研究の意義・重要性マインドフルネスの研修は海外で広く実施されており、精神症状や身体症状への効果が明らかにされているが、わが国ではまだ十分に活用されていない。離職率が高いと言われるわが国の看護職のストレス対策の1つとして、看護師がマインドフルネスを習得し活用することにより、看護師自身のメンタルヘルス改善だけでなく、患者への医療の質の改善にも役立つと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・当初の計画通り、今年度は情報収集を進め、研修プログラムの作成とフィールドの確保を行い、来年度の研修と調査の実施に向けて準備が進んできている。・研究の成果の発表として、研修作成にあたり、先行研究をレビューした論文1本が受理され、「医療看護研究」に掲載された。また、先行研究をレビューした内容に関する国内学会発表1件、海外の国際学会での発表1件を行った。
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今後の研究の推進方策 |
・次年度は、1施設の看護師を対象にマインドフルネス研修を実施し、その効果を質問紙調査で評価し分析していく予定である。・今後さらに研究を発展させていくための基礎的な研究となるように、研修の実施内容や、評価方法をさらに検討して実施し、研究を進めていく。・希望者に参加して頂くため、必要な対象者数が集まらない場合は、再来年度以降も研究を申請し、継続していくことを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
・次年度に研修と調査を実施するため、次年度に必要な使用物品の購入費用や、物品を研修会場へ運ぶ輸送費などが必要となる。・研修のために講師を依頼することになったため、その講師への謝金や講師の旅費、研究代表者の打ち合わせのための旅費などが発生する。・また、データ入力費や、研究結果を発表するための学会参加費・旅費、論文投稿のための英文校正費などが必要となる。
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