研究課題/領域番号 |
23792571
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
服鳥 景子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10335755)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 意思決定 / 終末期医療 / 地域高齢者 / 家族 |
研究概要 |
本研究目的は、(1)高齢者の終末期医療における家族の意思決定への期待と家族の思いのギャップを明らかにすること、(2)事前指定書書面化への啓発活動モデルを構築すること、である。平成23年度は、地域高齢者とその家族への終末期医療に関する意思決定についてのシステマティックレビュー、調査フィールドの開拓、質問紙項目の作成および妥当性検証のためのプレテストを行った。 システマティックレビューにおいては、高齢者、事前指定書、家族をキーワードにしたわが国における先行研究はほとんどみられず、特に米国のものがほとんどであった。文化は違うが、高齢者の事前指定書作成において、作成率およびその内容について家族の考えは大きく影響することがさらに明らかとなった。その結果を以下の学術集会、および書籍にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度計画では、高齢者とその家族の終末期医療に関する意思決定についてのアンケート調査用紙を作成、実施、分析する予定であった。しかし、アンケート調査実施・分析を平成24年度夏に延長することにした。その理由は、計画よりも緻密なアンケート項目作成が必要だと判断したためである。本研究は、対象が高齢者であることに加え、「終末期」が焦点となる。そのため、アンケート項目は、理解しやすさ、見やすさだけでなく、心理的な配慮についての十分な検討が必要であった。また、質問項目から得られるデータの正当性・妥当性・信頼性の検証についても、プレテストを重ね、周到に準備した。その結果、予定より時間がかかったが、研究対象者に十分に配慮でき、データの信頼性が向上した質問紙を完成することができた。 すでにフィールドの開拓は終え、アンケート配布を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、アンケート用紙を配布・回収・分析予定である。また、得られた結果から、実践可能な高齢者の事前指定書作成啓発モデル構築のために、地域との交流を増やし、高齢者とその家族の実際の声を聴かせていただく予定である。 連日にわたり、胃瘻の是非や在宅介護に関連する報道がされ、また書店にはエンディングノートとよばれる様々な出版社から発行された事前指定書関連本が並んでいる。わが国の中高年における「死の準備」への関心は高まりを見せ続けている。次年度は、地域の声を反映させたより具体的で、作成したいときにすぐに実践できるモデル作りを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、アンケート用紙を配布・回収・分析予定である。また、啓発モデル構築のために地域高齢者へのヒアリングを開催する予定である。よって、アンケート用紙印刷費、通信費、分析関連費、会場費等の支出が必要である。 また、本研究結果を関連学会や地域住民を対象にした講習で発表、意見交換する。そのための旅費等の支出も必要である。
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