研究課題/領域番号 |
23792579
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
長坂 育代 千葉大学, 看護学研究科, 特任講師 (50346160)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 乳がん / 不確かさ / オンコロジーナース / 看護実践 |
研究概要 |
本研究の目的は、乳がんの女性の不確かさに対するオンコロジーナースの看護実践を明らかにし、不確かさに対する有用な看護について検討することである。研究期間内に明示する内容として、1)オンコロジーナースが、乳がんの女性の不確かさに対して、どのような看護実践を行っているかを明らかにすること、2)オンコロジーナースの看護実践から、乳がんの女性の不確かさに対する有用な看護を抽出することの2点を挙げた。 本年度は、乳がん看護に携わるオンコロジーナースの看護実践に関する文献検討を行った。がん看護専門看護師や乳がん看護認定看護師など、高い実践能力があると認められたオンコロジーナースの看護実践内容が記載された文献を収集した。しかし、乳がん看護に関する一般的・標準的な看護は数多く示されているものの、オンコロジーナースならではの高度な看護実践の具体的な内容やその実践に対する評価、さらには不確かさに焦点を当てた看護実践をその根拠とともに示した文献はほとんど見られなかった。また、文献検討を進めていくなかで、オンコロジーナースの看護実践を評価するためには、その実践が高度である、あるいは有用であると判断するための指標が必要であることが分かった。そこで、看護師の臨床判断に関する文献を収集し、高度な看護実践とそうでない実践との間には何があるのかについて検討を行っているところである。 本年度は、文献検討を踏まえた上で、がん看護専門看護師や乳がん看護認定看護師などのオンコロジーナースを対象に、乳がんの女性の不確かさに対する看護実践に関するインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、文献検討に時間を要しており、調査を実施するまでには至っていない。現在は、文献検討を進めながら、調査を実施する前段階として、研究計画書を倫理委員会に提出するための資料作成を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、乳がん看護実践に関する文献検討ならびに乳がん看護に携わるオンコロジーナースへのインタビュー調査を実施する予定であった。しかしながら、本年度は、予定していた以上に文献検討に時間を要し、また大学の人員削減に伴う業務過多、複数の研究分担者としての役割等々に追われ、当初予測していた以上に、本研究に費やすことができる時間の確保が非常に困難であったため、関連文献の収集・検討にとどまってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、当初予定していたオンコロジーナースへのインタビュー調査まで至らなかったため、インタビュー調査の実施、ならびにデータ収集・分析に関わる経費が次年度に持越しとなってしまった。次年度以降は研究時間を捻出し、昨年度に実施できなかったオンコロジーナースへのインタビュー調査、およびデータの分析作業を行っていく予定である。また、本研究の目的を次年度で達成する予定であったが、現在の状況では次年度のみでより良い研究成果を上げることは難しいと考えられることから、研究期間延長の申請を検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度において次年度に持越しとなった研究費約650千円は、主に、オンコロジーナースへのインタビュー調査や、対象者リクルートおよび情報収集を目的とした国内外の学会等参加のための旅費に充てる予定である。次年度の研究費約800千円は、データ収集のための機材や逐語録作成に必要な人件費等の経費、データ分析やモデル構築に必要な機材等の購入および、専門家からスーパーバイズを受けるための謝金、研究成果の公表等に活用する予定である。
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