【目的】膵癌患者の闘病体験を記すとともにQOLを明らかにし、膵癌患者に対して看護師が日常で使える支援を明示する。【意義】膵癌は早期発見が難しく、予後不良の癌である。自らが病を患った時、他の闘病体験を知ることは疾患に対する受け入れや覚悟をする為に役立つと言われている。また、患者がどのような支援を必要としているのかを明らかにすることは、看護支援を行っていく為に大切なことである。看護支援の可視化が必要と言われる中で看護師の支援を記述することは、看護の知的財産を共有することであり可視化に貢献することになる。【データ収集】倫理委員会の承認を得た後、施設から対象者を紹介してもらいインタビュー調査を開始した。【対象者】1.膵癌患者18名(男性10名、女性8名)、2.膵癌患者をケア対象とする看護師10名(女性10名)であった。【進捗状況】1.闘病体験を記すために膵癌患者へのインタビューを行った。①化学放射線療法開始時、②化学放射線療法終了時、③手術終了時の3回インタビューを行った。当初の予定では1人の参加者に3回インタビューを行う予定であった。しかし、アプローチできた時期が手術終了後であったり、途中で治療が終了したりし、1回で終了した場合もあった。そのため参加人数は当初予定より増やし、18名へのインタビューを終えた。現在分析中である。2.膵癌患者への看護支援を記すために膵癌患者をケア対象とする看護師10名へインタビューし分析した。その結果を「大学病院で入院治療する膵癌患者に対する看護ケア」というテーマで、平成25年2月日本がん看護学会にて発表した。参加者からのフィードバックも重ね論文作成中。【今後】1.分析を重ね、学会発表・論文投稿をすすめる。2. 「大学病院で入院治療する膵癌患者に対する看護ケア」を論文投稿する。また結果分析中に倫理的ジレンマも見えてきたため、分析を進める予定である。
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