研究課題/領域番号 |
23792588
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
田中 智美 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40510300)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 造血幹細胞移植 / 意思決定支援 |
研究概要 |
平成23年度は、造血幹細胞移植患者の看護に携わる看護師の、患者の意思決定支援に対する認識と援助の実際について質問紙調査を実施した。調査対象は、日本造血細胞移植学会平成22年度全国調査報告書の中で、診療科別移植報告件数が40件以上の施設等を中心に抽出、同意の得られた13の移植実施施設に勤務する看護師を対象とした。調査票は属性9項目、医師からの移植の説明における看護援助に関する項目22項目、患者や家族の心理社会的支援に関する項目24項目から構成。251部配布し192部回収(回収率76.5%)、有効回答数は189名(75.3%)であった。医師からの移植の説明に関する看護援助、患者や家族の心理社会的支援に関する看護援助について因子分析および因子得点を用いて看護師の属性で比較検討するため、t検定・分散分析を行った。 結果、医師からの移植の説明に関する看護援助では3つの因子が抽出された。第1因子は"情報提供と医師との連携"、第2因子は"説明内容の理解と精神的支援"、第3因子は"権利と意思の尊重"に関する因子とした。属性との関連では、第1因子では年齢・移植看護経験年数・専門学歴が、また第2因子では移植看護経験年数が、第3因子では移植看護経験年数・専門学歴に有意差を認めた。また、就職後の意思決定支援に関する学習の機会の有無も影響していることが明らかとなった。 次に、患者や家族の心理社会的支援に関する看護援助では3つの因子が抽出され、第1因子は"家族間関係の調整"、第2因子は"患者・家族の価値観の尊重"、第3因子は"自己決定に向けた情報提供と意思確認"に関する因子とした。属性との関連では年齢や移植看護経験年数等には有意差は無く、就職後の意思決定支援に関する学習の機会の有無が影響していた。したがって、造血幹細胞移植を選択する患者における看護師の意思決定支援には、卒後教育の重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究は、おおむね順調に進展している。対象施設のリクルートや調査票の回収がスムーズに行え、データ入力を業者委託したことで、その後の解析に十分な時間を確保することができた点が、その理由と考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の調査票に、自由記載欄を設けている。したがって、自由記載欄に書かれた内容について分析することから始めていく予定である。また、次年度は実際に造血幹細胞移植を受けた患者への面接調査を予定している。さらに、今年度の研究成果を学会で発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、面接調査を予定しているため、質的研究の専門家にスーパーヴァイズを受け、分析結果の信頼性・妥当性を高めていく必要がある。その際の、研究打ち合わせ旅費としての使用を予定している。また、今年度の研究成果を学会発表する予定であり、その際の旅費としても計画している。物品としては、面接調査に必要なICレコーダーの購入を計画している。
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