研究課題/領域番号 |
23792589
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹之内 沙弥香 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00520016)
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キーワード | 看護倫理 / End-of-Life Care / 看護継続教育 / 臨床倫理 / ターミナルケア / 倫理教育 / エンド・オブ・ライフ・ケア |
研究概要 |
前年度までに得られた結果をもとに、平成25年度は本研究課題において、我が国のエンド・オブ・ライフ・ケアにたずさわる臨床看護師を対象とした新たな看護倫理教育プログラムの内容を修正・増補した。また、臨床倫理の事例検討の手引きを修正した。 【プログラム内容の修正】 前年度までに開発した、ELNEC-J(End-of-Life Nursing Education Consortium-Japan)コアカリキュラム看護師教育プログラムに含まれる10のモジュール(学習単位)の中から、「モジュール4、エンド・オブ・ライブ・ケアにおける倫理的問題」に基づき、再編し増補した看護倫理教育プログラム案に、効果的な学習を促すカリキュラムの枠組みである教育の分類体系に基づいて、認知・感情・精神運動の各ドメインに働きかけられる要素を補充する方法について検討を重ねた。 【臨床倫理の事例検討の手引きの修正】 臨床倫理の事例検討用フォーマットとして、Jonsenらの臨床倫理の4分割等をもとに、看護師が臨床倫理の事例検討を行うことができるように作成した手引きについて、医療倫理、哲学の各分野における専門家による専門的知識の教授のもと、哲学の問いや思考プロセスを用いて、臨床倫理の事例検討を行うチームメンバーの思考力や議論する力を育めるような要素を追加した。本手引きをもとに研究対象となる医療施設のリーダー格である看護師が臨床倫理の事例検討を導くことにより、安全なディスカッションの場を構築しながらも、よりよい解決方策をチームで構築していけるようになることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第2子出産のため平成23年11月より平成25年3月末日まで、産前産後休暇及び育児休暇を取得し、研究を中断した為。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、Pilot studyを実施し、開発した看護倫理教育プログラムの実施可能性について検証する。Pilot Studyの結果と参加者による評価を研究協力者と共有し、修正個所について議論し、看護倫理教育プログラムを確定する。 残る1年間で、開発した看護倫理教育プログラムを実施・評価し、わが国における看護倫理教育への示唆を検討する。また、全体の研究結果を総括し、開発した看護倫理教育プログラムを用いた教育的介入が看護師に及ぼす影響について結論を得る。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度において、研究目的の到達度がやや遅れているために、会議開催や出張にまつわる支出や消耗品およびその他の支出が少なかった。これらのことから、使用を計画していた全費目において支出が下回ったため。 1) Pilot studyの実施:開発したプログラムの実施可能性検証のため、教育実施に使用するプロジェクターに7万円、研究対象者への謝金に4万円の使用を計画している。なお、開発したプログラムの講習会、臨床倫理の事例検討、参加者対象の自記式質問調査に伴い、消耗品費として272,110円(Microsoft Office Professional、統計ソフト、レーザープリンタートナー一式、筆記用具、封筒、ファイル、印刷用紙)、その他諸経費として印刷費6万円、複写費2万円、通信費3万円を使用計画している。また、設備備品費として、図書6万円の使用を計画している。 2)有識者によるレビュー:Pilot Studyの結果と参加者による評価を研究協力者と共有し、修正個所について議論し、看護倫理教育プログラムを確定のため、複数名の専門家による専門的知識の提供に対し20万円の謝金支払、会議費15万円、旅費55万円を使用計画している。
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