本研究の目的は、気管挿管患者に対する保湿ジェルを使用した口腔ケアの効果と看護師の認識と実態を明らかにすることである。 重症患者を対象に、清拭法と洗浄法による口腔環境およびカフ汚染度の比較検討を行った。両群で有意な差は認めなかった。カフ汚染に影響を与えた因子は、重症度の高さと口腔環境の良さであった。健常人を対象に、ブラッシング時の保湿剤の併用効果を検討した。この方法はプラーク除去を妨げず、口腔内細菌数の飛沫による増加を抑えることができた。 わが国のICU看護師の気管挿管患者に対する口腔ケアの認識は、VAPの予防であった。口腔ケアの実際では、側臥位で8時間に1回程度、水道水による洗浄法が行われていた。
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