研究概要 |
平成25年では,規定した概念に基づいて,高齢がん患者の持つ生活史やその意味付けについて明らかにするために半構成的面接調査を行い,これより「高齢がん患者の生活史に注目した看護介入プログラム」を考えていく予定である. これまで,研究に取り組む中で,がん領域では生活史を体験過程の意味づけを明確にする手法として活用しており,高齢がん患者で生活史を活用することは経験の意味づけだけでなく,長い生活史より得た英知を持つ高齢がん患者の強みの部分を意図的につながることが示された.また,生活史を活用した介入では,患者自身の認識の変換をもたらす効果があり,ネガティブな状況をポジティブに捉え直していく介入効果をもたらすことも明らかになった.特に,高齢がん患者の現状では,治療に伴う副作用だけでなく加齢に伴う衰退も加味されて,苦悩が重複しやすく虚弱な立場におかれやすいことを考えても,その強みを生かす生活史を活用した介入は意義があると推測している. 現在の研究実績としては,質的研究のインタビューを通して,治療過程にある高齢がん患者の様相から得た生活史に着目した支援を考案する中で、治療過程にある高齢者の背景を調査している段階である.
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