本調査より、高齢がん患者の生活史を活用することは、高齢者の持てる力を生かした有用性ある介入方法の1つであることが明らかになった。次に、治療過程の高齢がん患者は身体的機能の低下に治療の副作用が重なり合い、苦悩が重複しやすいことが示された。そのため、高齢がん患者が現状を理解し、自ら選んだ治療を受け入れ、主体的な治療・療養行動をとるためにも納得する必要性が示唆された。今後、高齢がん患者の看護介入プログラムを構築する上で、生活史による介入に、アウトカムの指標の納得を用いながら実際の介入効果を検討することと、それに先立ち、高齢がん患者の治療に対する納得を明確にしていく必要が示唆された。
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