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2012 年度 実施状況報告書

苦痛症状のあるがん患者に対する緩和ケア評価におけるコンフォート指標の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23792596
研究機関香川大学

研究代表者

金正 貴美  香川大学, 医学部, 講師 (00335861)

キーワードComfort / Cancer Patient
研究概要

1.研究の目的 苦痛症状のあるがん患者にとって、身体症状が緩和されComfortを得ることは重要な課題である。患者の痛みは全人的なものであり、その痛みが緩和されると患者は苦痛の軽減だけでなく、心の安らぎや満足感を得る。患者のComfort指標を明らかにすることを目的としている。がん患者は緩和リハビリテーションによって筋力維持や安楽な動作を獲得することができる。平成24年度は患者が安楽な移動動作を獲得するプロセスやその安楽の表出を抽出することを目的とした。
2.研究の方法 緩和リハビリテーションを受けている進行がん患者を対象とする。参加観察法とインタビューを行い、データを収集し、データ内容を記述しグラウンデッドセオリー・アプローチを用いて分析を行った。倫理的配慮では、研究協力者に対して、文書と口頭で説明し、文書での同意を得て実施した。研究者所属の倫理審査委員会の承認を得て行った。
3.結果 安楽な移動動作を獲得するプロセスの全体像 『安楽な移動動作を獲得する』プロセスは、自宅の構造を考えて訓練に取り入れることで退院への『希望を持つ』行動で動機づけられていた。また訓練後は休憩やストレッチといった『身体を楽にする』行動を取り入れ活動と休息のバランスを図り、理学療法士と自宅や趣味の話などで『会話を楽しむ』行動でその人らしさが表現され生き生きと訓練に取り組めていた。またそれぞれの場面で患者の安楽な表出が認められた。『安楽な移動動作を獲得する』では、〔うなずく〕〔集中する〕〔視線を合わせる〕、『会話を楽しむ』では、〔笑顔〕〔うなずく〕〔大きな声〕〔視線を合わせる〕〔自分から話す〕、『身体を楽にする』では、〔呼吸や脈が落ち着く〕〔顔の表情が緩む〕〔呼吸が穏やかである〕〔ゆったりとさする〕〔力が抜けている〕〔寝ている〕が抽出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.同意取得症例数 苦痛症状を有する進行がん患者 10名
2.実施症例数 苦痛症状を有する進行がん患者 10名(現在実施中の症例数は10例目の1名である。)
3.目標とする症例数及び成果等 目標数は20名である。本大学医学部附属病院がん緩和ケアチームに紹介された患者で、研究目的および倫理的配慮のための基準を満たす患者を選定するため、まだまだ20例には満たしていない。今後も継続してデータ収集を行う。

今後の研究の推進方策

目標とする成果については、本研究は安楽さの指標を抽出する研究を行っている。前年度で非言語的表現での安楽さの指標を抽出することができている。今年度は言語的表現での指標を抽出する予定である。具体的な場面としては、苦痛緩和のためのポジショニングや、患者が積極的にComfortを得ようとする場面、看護師からの心地よいケアを受ける場面、放射線治療や化学療法時に患者が自らComfortになる場面を重点的に観察インタビューを行うようにする。
インタビューや観察は研究者が主に行うが、緩和ケアの専従看護師や担当看護師より、参加観察の内容の解釈のすり合わせを行い、恣意的になることを防ぎ、より患者の具体的な表現を抽出するよう努める、。データ分析については、研究者会議について分析過程の妥当性を検討し、データの質を保証できるようにする。

次年度の研究費の使用計画

インタビューと参加観察を継続して行う。インタビュー内容は、逐語録作成とし、人件費より研究補助を依頼する。

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公開日: 2014-07-24  

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