研究課題/領域番号 |
23792599
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山口 さおり 鹿児島大学, 医学部, 助教 (10404477)
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キーワード | セルフマネジメント / HTLV-I関連脊髄症 |
研究概要 |
本研究の具体的な目的は、日本におけるHTLV-I関連脊髄症(HAM)患者のセルフマネジメントの過程を質的に探究することである。今年度は、HAM患者へのインタビューによるデータ収集およびデータ分析を実施する計画で研究を進めた。 まず、前年度からコンタクトを取り、研究参加者募集の協力への同意を得ていたNPO法人スマイルリボン(日本からHTLVウイルスをなくす会)の代表者の意見を頂きながら、「研究参加協力のお願い」のリーフレットを作成した。リーフレットは、研究参加への意思を確認する返送用のハガキとともに、HAM患者会の会報に同封する形で患者会に所属している307名に発送した。その結果、107名の方から、研究への協力の意思について回答を得ることができた。ただし、配布したリーフレットは、研究の概要のみの内容であったため、研究参加への同意を得るためには、追加説明や資料の送付を必要とした。また、回答者の居住地が、日本全国にわたっており、効率的なデータ収集を行うために、データ収集計画を綿密に検討する必要があり、今年度データ収集まで研究を進めることができなかった。 データ収集への手続きと並行して、患者会の集まりに参加させていただく機会を得たり、第6回HTLV-I研究会・シンポジウムへ参加する機会を得たことで、HAMやその他のHTLV-I関連疾患の診断や治療に関する医学研究の最新の知見を得ると同時に、本研究の意義や方向性を再確認することができたことは、研究実施に際して大きな収穫であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究参加者への協力依頼は、患者会の協力を得て順調に運んだが、実際のデータ収集に移行する段階で、データ収集計画に再考を要し、また教育や学会等その他のエフォートの割合が大きく、当該研究に取り組む時間を確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、データ収集計画を早期に練り直し、本研究への参加同意が得られた20歳以上のHAM患者20名に対して、HAM患者のセルフマネジメントプロセスについてインタビューによるデータ収集を行う。データ収集と並行してデータの分析を行い、分析結果が理論的飽和に達するまで、データ収集・分析を継続する。また、研究成果の論文化を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、データ収集に移行できなかったため、データ収集に関する旅費および謝金を使用しなかった。また、データ分析の指導・助言を受けるための旅費および謝金を使用しなかったため、次年度に使用する研究費が生じた。 次年度は、データ収集および分析を実施するに当たり、次年度に繰り越した額を旅費および謝金として使用する計画である。
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