研究課題/領域番号 |
23792609
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
大辻 裕子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助手 (90552638)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / 看護学 / 脳神経疾患 / 衛生 / リハビリテーション |
研究概要 |
本研究の目的は、脳卒中急性期患者に対する口腔の衛生・機能維持を意図とした口腔ケアプログラムを開発することである。平成23年度は、脳卒中急性期患者の口腔環境および咀嚼・嚥下・発音・呼吸などの口腔アセスメントを実施し、口腔衛生・機能維持を目的とした口腔ケアに関するニーズ調査を計画した。現在は、データ取集の段階である。 研究対象が脳卒中患者であり、所属機関の倫理審査委員会での承認を得るに時間を要した。倫理審査委員会では、患者が亜急性期の状態であることの危険性や患者の意思疎通が困難な場合の代諾に関する手順など、倫理的配慮について慎重に検討を重ね承認を得た。さらに、治療による侵襲が低い内科的治療を受ける患者に協力を得るよう配慮した。 データ収集段階ではあるが、口腔環境の要因となる口腔水分量から、口腔内が乾燥をしている患者と通常の値を示している患者に分化する傾向がみられ、データ収集と共に分析をしている。この結果により、脳卒中急性期患者の口腔衛生と口腔機能の特徴が明らかとなり、脳卒中急性期患者に適した口腔ケアプログラムの開発につながると考える。 計画の実施には、患者の安全および安楽を最優先し、人権およびプライバシーについては最善の注意と関心を払い進めている。また、口腔ケアや摂食・嚥下に関する専門家による指導およびスーパーバイズを受けながら計画が遂行できるよう努めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象が脳卒中患者であり、倫理的配慮について慎重に検討を重ねたため、所属機関の倫理審査委員会での承認を得るに時間を要した。また、協力病院との医師や看護師と共に患者の安全および安楽を最優先し、人権およびプライバシーの保護に努め進めているが、現段階では、治療による侵襲が低い患者としており研究対象者が少ない。
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今後の研究の推進方策 |
協力病院との医師や看護師と共に、患者の安全および安楽を最優先し、人権およびプライバシーの保護に努め進めている。今後もさらに患者および代諾者の家族に安心してもらえるよう最善の注意と関心を払い、患者および代諾者の家族の協力が得えられるよう体制を構築する。 さらに、データ収集を重ね、脳卒中急性期患者の口腔環境および咀嚼・嚥下・発音・呼吸などの口腔アセスメントを実施し、口腔内の特徴を明らかにする。その結果を基に、口腔ケアや摂食・嚥下に関する専門家による指導およびスーパーバイズを受け脳卒中急性期患者に適した口腔ケアプログラムを作成する。口腔ケアプログラムはプレテスト後に本調査を実施し、本口腔ケアプログラムの有用性を確認する。実施後、明らかになった問題点をフィードバックし、脳卒中急性期患者における本口腔ケアプログラムの完成度を高める。 治療による侵襲が低い内科的治療を受ける脳卒中急性期患者において口腔ケアプログラムの完成度を確認した後には、外科的治療を受ける脳卒中急性期患者への介入の方向性を検討する予定である。また、研究成果は公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
脳卒中急性期患者の口腔環境および咀嚼・嚥下・発音・呼吸などの口腔アセスメントに必要な評価指標を用いて評価を重ねるため、口腔ケア用品や口腔内評価のため、引き続き設備物品やその他経費が必要となる。また、口腔ケアや摂食・嚥下に関する専門家による指導およびスーパーバイズを受けるため旅費が必要となる。かつ、データを扱うためのデータ入力、資料整理など研究補助が必要となる。さらに、評価に用いる嚥下造影検査費用を各病院へ支払うため謝金として計上する必要がある。
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