研究課題/領域番号 |
23792614
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
井上 正隆 高知県立大学, 看護学部, 助教 (60405537)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | クリティカルケア / ケアデザイン / 状況再現シミュレーション / シミュレーション教育 / ドクターヘリ / フライトナース |
研究概要 |
研究目的1.急性期看護領域におけるケアデザインの概念を分析し、教育プログラムを立案する。年間目標:急性期看護領域におけるケアデザインの概念分析と構造分析クリティカル領域の看護師が持つケアデザインに関して、米国CNS養成と医師の診断思考について分析を行った。その結果、両者に共通する内容として「パターン化」と「マルチタスク」を抽出した。また、基礎教育課程、新人看護師では、「正常と異常の判別」と「経時的変化」を特異的なものとして抽出した。また、フライトナースに特化した教育プロラムでは、当初評価方法としてリフレクション形式のピア評価が妥当と検討していたが、手技を逐次評価するチェックリストの活用も必要との結論に至った。研究目標2.状況再現シミュレーター法の教授方法の開発と確立を行う。年間目標:状況再現シミュレーターでの教授方法の確立模擬患者法を用いた状況再現シミュレーション、マネキンを用いた状況再現シミュレーション、複合課題状況再現シミュレーションの各課題に対し、ディブリーフィング法の検討、状況再現法の検討、シナリオ検討の各切り口で教授方法の洗練化を図ることを計画し、実施した。教授方法の検討において受講生に状況設定を深く理解してもらう必要性の課題が生じた。このため、映像を用いた状況説明やどのケースも架空の患者を設定し、社会的背景や性格、家族状況などをその都度理解する必要をなくす方策を講じた。また、状況設定のしやすさからフライトナース養成に特化したシミュレーターを検討し、高知医療センターとの包括連携を活用して、ヘリキャビン内の再現したシミュレーターを考案し、「狭さ」と「騒音」を構造的な要件として抽出した。また、この要件と実現可能性を考慮し、キャビン内を再現したシミュレーターを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クリティカルケア看護領域は、ER、ICU、手術室など各分野でケアデザインが異であろうことが判明し、全領域を網羅した結果を導くのは、難しいと考えているが、クリティカルケア看護領域のケアデザインに関する主要概念は抽出でき、当初計画していた目的は概ね達成できていると考えている。教授法の開発については、順調に進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
クリティカルケア看護領域は、ER、ICU、手術室など各分野でケアデザインが異であろうことが判明したが、特に他職種や他病棟とのチーム医療に関する視点が不明であり、24年度以降の研究課題である。また、研究の質を保証するために、シミュレーションに関して24年度は、状況設定のしやすさから、フライトナースを対象としたものに特化して行うように計画している。フライトナースに関する教授法の開発つについては、評価指標案を作成し、研修や実際の運航からのフィードバックを受けて洗練化してくように計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画に基づいて使用する。
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