研究課題/領域番号 |
23792614
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
井上 正隆 高知県立大学, 看護学部, 助教 (60405537)
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キーワード | フライトナース / クリティカルケア / 状況再現シミュレーション / シミュレーション教育 / ケアデザイン / ドクターヘリ |
研究概要 |
年間目標1:デザイン力の概念探求を行い急性期看護領域におけるケアデザインの概念分析と構造分析に活用する エキスパートがケアデザインを行う際の創造性への示唆を得るために、芸術分野における「デザイン力」の概念探求を行い、本研究に活用した。芸術分野でのデザイン力を推進する要因として「模倣」「必要性」「パターン化」「先端技術」を抽出した。「模倣」は、過去の作家や他分野に影響を受け、創作のきっかけを得るものであった。「必要性」は、作家の内的なものとして創作意図があり、外的なものとしてクライアントからの要求、時代の潮流があった。「パターン化」は、パターンを踏襲することとパターンから逸脱することの2側面から創造性を推進するが、一定のパターンを確立することが必要であった。「先端技術」は、先の3要素に補助的に作用するもので、イメージを具現化する際に作用すると分類した。 クリティカルケア看護領域の看護師が持つケアデザインに関して分析を行った昨年の結果との共通する内容として「パターン化」があった。また、看護師のケアデザインを拡大させる方策としては、特に「模倣」が考えられ、単独で登場することが多いフライトナースとしては、他のフライトナースの事例を映像などで振り返る教授法を立案した。また、複数回のシミュレーターでの訓練を行うことで、「パターン化」が促進されると期待できる。 年間目標:ドクターヘリを想定した状況再現シミュレーターでの教授方法の確立 前年度結果を基にモデル事例の作成を行い、拡張性の視点から、頭部外傷を選出した。当初計画したシナリオの洗練化を中心とした研修プログラム開発から評価表を中心に行う方策へ変換した。評価表のフォームの検討を行い、縦軸にケア項目を列挙し、横軸に時間経過を記述するクリニカルマップ法が適切であると結論付けた。本法は、評価時のみではなく、自習時にも活用できると期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の質を保証するために昨年度実績を基に研究対象をフライトナースに特化して行った。実働するフライトナースの少なさによるデータ数の不足により当初計画していた量的研究手法を用いた構造分析を変更し、質的手法を用いた。変更後は、本年度実施した芸術分野での「デザイン力」の概念探求に計画よりも研究のエフォートを割き、エキスパートがケアデザインを行う際の創造性への示唆を得た。この計画変更により、「デザイン力」を推進する要因がより明確になったと考える。また、フライトナースへの聴き取り結果からも「模倣」と「パターン化」を中心に研修を行う方がよいという同様の結果が得られ、研究結果としても妥当性があると考えている。 シミュレーターを用いた教授方法の確立については、懸案であった評価方法に一定の目処がついた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度本年度の研究結果を基に高知医療センターとの包括的連携事業を活用し、シミュレーションを用いた研修を継続的に実施し、研究の洗練化を図る。特にケアマップ法を中心に活用し、シナリオの作成、研修の評価、自習に本法がどのように有効であるかを検証する。また、ケアマップ法は医学モデルに基づき作成されているので、看護学の要素をどのように加え、活用するかを検討する。さらに評価表作成は、HEM-Net評価表との整合性を図りつつ行う。 一方フライトナースは、一定以上の知識や経験を持った看護師が選抜されるため、初学者や新人に対する検討は、学部性を対象として行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
フライトナースを対象とした研修プログラムに関する調査を評価表の作成を中心に行ったために、医療系消耗品を計画程度使用しなかったため、5000円程度次年度に研究費を繰り越した。先に挙げた学部生を対象にした研究は、当初計画していなかったため、この費用に活用する。
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