研究課題/領域番号 |
23792624
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
中山 奈津紀 中部大学, 看護実習センター, 助教 (30454375)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | リハビリテーション看護学 / 運動療法 / 在宅療養支援 / 循環器 / 維持期リハビリテーション |
研究概要 |
本研究は、心疾患患者のリハビリテーションとして日常生活中の軽微な運動に着目し、在宅運動療法支援として新しい運動療法を考案するため、以下の項目を研究した。屋内外での歩行、掃除、片付けなど在宅における比較的軽微な日常的運動で、運動療法として効果があることを示すエビデンスを取得する(運動負荷試験、及び健康関連QOLにて)。その運動療法の効果を、在宅で測定できる指標で明らかにする(自律神経活動指標などにて)。平成23年度5月から研究協力施設での研究参加者登録を開始した。参加者は、高血圧、虚血性心疾患、脂質異常症等で内服治療中の患者でコミュニケーション障害のない患者とした。参加者には普段と同じ生活をしながら、開始時と6か月後に各1か月間の活動量と同じく開始時と6か月後に24時間ホルター心電図から自律神経活動を、また健康関連QOL測定した。Wilcoxon signed rank testでp<.05を有意とした。研究の登録者68名のうち、6か月の継続調査と各種の測定項目を完遂し、分析対象としたのは22名であった。本研究の対象者の年齢は71歳で、最小が59歳、最大が83歳であった。男性が15名(68.2%)を占めていた。心疾患のうち、狭心症を既往に持つ患者は10名(45.5%)であり、心不全は(18.2%)であった。高血圧の治療を行っている患者は17名(77.3%)であり、脂質異常症は9名(40.9%)であった。全対象の健康関連QOLは開始時からすでに高値を示し、6か月後も高値を維持していた。6か月に活動量が増加した対象者を抽出し、0と6か月間の副交感神経指標を比較した。活動量のうち低い活動強度の増加群において、副交感神経指標であるHigh-frequencyは、0か月の中央値が28(11-61)、6か月後の中央値70(15-135)でありp=0.013で有意に6か月後に増加していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
6か月の前向き観察研究であるため、今年度末の分析対象者は22名にとどまったが、今後、順次6か月を迎える患者が多くいるため、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今回の分析において、データのばらつきや個人差が大きいことが明らかとなった。今後、できる限り研究参加者を増やし、解析を行っていく必要性がある。研究協力施設を増やすことも視野に入れて取り組んでいく。
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次年度の研究費の使用計画 |
統計処理ソフトの購入、国内外の学会への参加、英語論文投稿準備のため使用する。
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