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2011 年度 実施状況報告書

HIV/AIDS患者の療養場所とその移行に関するニーズおよび不安の構造と地域連携

研究課題

研究課題/領域番号 23792627
研究機関千里金蘭大学

研究代表者

九津見 雅美  千里金蘭大学, 看護学部, 講師 (60549583)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードHIV/AIDS / 長期療養
研究概要

平成23年度は、介護を要するHIV/AIDS患者の退院調整経験のある大阪医療センターのHIVコーディネーターナースおよびソーシャルワーカーに聞き取り調査を実施した。聞き取り内容は、エイズブロック拠点病院からの療養場所移行時に、どのような困難があるのかについてである。その結果、困難さは次のようであった。1)地域や施設では、長期療養が必要なHIV/AIDS患者の受け入れ経験がないこと、2)施設や病院はHIV/AIDS患者を受け入れることでスタッフが辞めてしまうのではと懸念していること、3)看護師やヘルパーが、MSM(Men who have sex with men)であるHIV/AIDS患者を性的に活発だと思いマイナスの印象があること、4)HIV/AIDS患者を受け入れていることが他患者や家族に漏洩すると利用者が減ってしまうのではと懸念していること、であった。このことから、HIVへの偏見が根強く存在することが、長期療養を必要とするHIV/AIDS患者が拠点病院からの移行を困難にさせていることが明らかとなった。この結果から、HIVに対する偏見への教育の必要性が求められると考えられる。平成23年度は退院調整側からの困難を抽出したが、退院調整を受ける患者側の思いを患者の視座から明らかにすることで、拠点病院-一般病院・在宅サービス事業者間の連携のあり方について、今後のケアの方策を考える一助とすることができると考えられる。本研究をさらに推進させ、患者の意向を把握することで、医療・看護・介護の提供側からだけでなく、受領側が何を欲し、どういったことに不安があるのかを明らかにすることで、患者を中心にしたサービス提供体制や地域連携のあり方についての基礎的資料とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成23年度は、大阪医療センターのHIVコーディネーターナースおよびソーシャルワーカーへの聞き取り調査を実施した。HIVコーディネーターナースの聞き取り結果から、介護を要するHIV/AIDS患者は全国的にみて近畿圏(特に大阪医療センター周辺)に偏っていることを把握した。当初はサンプリングを全国的に行う予定であったが、近畿以外に介護を要するHIV/AIDS患者はほとんどいないことが明らかとなったため、患者への聞き取り調査は大阪医療センターで治療経験のある患者を対象とすることとした。聞き取り調査に協力のあった大阪医療センターのHIVコーディネーターナースの協力のもと、大阪医療センターの倫理委員会に本研究を諮り患者紹介を受ける予定である。平成23年12月に本研究について倫理委員会に提出したが、患者のみへの調査という点において調査の意義等について再考するように指導を受けている段階であり、倫理審査委員会の許可を得られていない状況である。そのため患者紹介が受けられず、患者への聞き取り調査が実施できていない。

今後の研究の推進方策

現在、調査方法および内容等について大阪医療センターのHIVコーディネーターナースの協力を得ながら倫理申請書類を改訂作業を行っている。早急に倫理委員会を通し、患者紹介を受けて調査を進めていく。国立国際医療センターのHIVコーディネーターナースにも聞き取り調査をおこなう予定である。

次年度の研究費の使用計画

患者への聞き取り調査の交通費、聞き取り調査場所の場所代、聞き取り調査での音声データの逐語録作成に研究費を使用予定である。また調査を並行して、成果について随時学会発表を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Difficulties of the transition of treatment place in people living with HIV and AIDS who need long-term care.2012

    • 著者名/発表者名
      九津見雅美
    • 学会等名
      15th East Asian Forum of Nursing Scholars (EAFONS)
    • 発表場所
      シンガポール
    • 年月日
      2012年2月22日

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公開日: 2013-07-10  

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