外来血液透析患者の「かゆみ」に対する看護診断関連因子を明らかにするために、全国の透析患者100名を対象に「かゆみ」に影響する因子を1年間にわたり追跡調査を行うことを目的に研究を実施した。 調査開始にあたり、先行研究で明らかになった「かゆみ」の関連因子について、国際学会で発表した。特定領域における看護診断の関連因子を明らかにするための研究方法として有意義であり、臨床での検証結果を期待された。この研究を基に、文献レビューを行い、関連因子として調査する項目、調査用紙、データフォーマットの再修正を行った。 所属施設の研究倫理審査を受け、承認されたのちに、調査機器の使用方法などの研究データの取り方についてプレ調査を行った。研究協力施設の協力者(透析療養指導看護師の認定資格をもつもの)により実施し、データフォーマットを修正し、本調査に取りかかった。 調査対象施設は、全国の10地区に分け、地域別に選別した。 当初予定していた施設に対し、調査の説明、調査機器の使用方法の指導を行い、1年にわたり調査を行ってもらうよう依頼した。現時点で依頼できている施設は、全国で9か所。開始時期をそろえることはできず、準備が整った施設から、月1回の調査を開始してもらっている。2013年6月から開始した施設、2014年4月から開始している施設があり、調査結果をまとめるまでには至らなかった。しかし、1施設10名の患者のデータが90名分集まっており、今後集計し成果を公表していきたいと考える。途中ではあるが、「かゆみ」には、透析条件など医療的状況が大きく関与しているものの、季節や環境の影響も少なからずみられている点は、看護介入の視点として意義があるものと考える。
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