一般病棟のがん患者の家族に対する臨床看護ケア場面で、現実適合性が高く、信頼性、妥当性を確保し、簡便に看護ケアの実践評価を測定できる「一般病棟におけるがん患者の家族ケア実践評価スケール」を開発した。 本研究は、第1段階「スケール項目の抽出」、第2段階「スケール原案の作成」、第3段階「スケールの信頼性、妥当性の検証」の3段階の研究計画を経た。平成24年2月に一般病棟に勤務する看護師1944名(有効回答741名;有効回収率38.1%)を調査対象とした信頼性、妥当性調査を実施した。項目弁別力検証、項目間相関分析、因子分析(主因子法、プロマックス回転)の結果、4因子29項目を抽出し、因子名を「家族の抱える問題の把握と負担への配慮」、「家族機能を考慮した関わり」、「患者の死を受け入れる準備段階にある家族への支援」、「家族が患者の療養生活を効果的に支援するためのチーム医療の調整と情報提供」と命名した。Cronbach'α係数は.881~.921、折半法はr=.944**であり、信頼性は確保された。検証的因子分析としての共分散構造分析結果は、GFI=.830、AGFI=.816、CFI=.873、RMSEA=.076であり、構成概念妥当性であるモデルの適合度は容認できる範囲を示していた。併存的妥当性では、r=.362***~.831***であり、基準関連妥当性が示された。 なお、平成24年11月~平成25年1月に因子構造検証のための再調査(対象:一般病棟に勤務する看護師713名)、安定性確認調査(対象:再調査の対象のうち483名)を実施し、現在分析中である。
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