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2013 年度 実績報告書

母乳の味の生化学的解析に基づいた乳腺炎の予知

研究課題

研究課題/領域番号 23792633
研究機関秋田大学

研究代表者

吉田 倫子  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30463805)

キーワード母乳 / 乳腺炎 / 味 / 乳児 / 授乳
研究概要

母乳育児支援に関わる助産師の経験知の中に、母親が乳腺炎を起こす予兆として、乳児が授乳を嫌がる行動を示すという現象がある。過去の我々の調査において、乳腺炎および乳腺炎の前兆の母乳で、母乳の味が変化していることが明らかとなり、乳児が示す授乳拒否の一因であることが示唆されている。そこで、本研究は、乳腺炎の母乳で起こる味の変化に関係する成分を分析し、その成分を検知することにより、乳腺炎の予知が可能であるかを検証することを目的として行った。成分分析は、味分析後のサンプルついて行い、アミノ酸、核酸、糖質、ミネラル等の濃度を測定した。
基本的な味覚強度の平均と呈味物質濃度の平均について乳腺炎の母乳と正常な母乳の比較を行ったところ、旨味の強度が乳腺炎の母乳で大幅に増加していた。さらに、グルタミン酸、5'-GMP、ナトリウム、カルシウム、尿素とアンモニアを含む母乳中の味物質の濃度が乳腺炎時の母乳と正常な母乳で違っていた。この乳腺炎の母乳中の呈味物質の濃度変化は、おそらく乳腺細胞からの分泌活動の減少と乳腺炎中の乳房組織の透過性の増加にあったと考えられる。これらの詳細については、Breastfeeding Medicine(2014年)に報告している。
先行研究において、乳腺炎時の母乳を拒否する児がいる一方で、乳腺炎時の母乳であっても拒否せずに飲む児もいたことから、母乳を飲む児の快・不快を客観的に評価する必要性が考えられた。そこで、母乳で育てられている乳児3名の授乳前中後の脳波を測定(EEGトレンドプログラムQP-160A 日本光電)し、評価を行った。授乳中の乳児の脳波は、授乳開始から時間を経る毎にα波の分布が拡大し、電位が高くなっていることがわかった。また、授乳中に泣いた乳児においてはα波の分布が縮小し、電位が低くなっていたことから、乳児は快・不快を感じて母乳を飲んでいる可能性があると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Taste of milk from inflamed breasts of breastfeeding mothers with mastitis evaluated using a taste sensor2014

    • 著者名/発表者名
      Michiko Yoshida, Hitomi Shinohara, Toshihiro Sugiyama, Masanori Kumagai, Hajime Muto and Hideya Kodama
    • 雑誌名

      Breastfeeding Medicine

      巻: 9(2) ページ: 92-97

    • DOI

      10.1089/bfm.2013.0084

    • 査読あり
  • [学会発表] The taste of milk from inflamed breasts of breastfeeding mothers with mastitis evaluated using a taste sensor2014

    • 著者名/発表者名
      Michiko Yoshida, Hitomi Shinohara, Hideya Kodama
    • 学会等名
      Rhythms of Infant Life Conffrence
    • 発表場所
      イギリス ダラム
    • 年月日
      20140326-20140331
  • [学会発表] 母乳を飲む児の脳波による嗜好性の評価

    • 著者名/発表者名
      Michiko Yoshida, Hitomi Shinohara, Hideya Kodama, et all.
    • 学会等名
      秋田県母性衛生学会
    • 発表場所
      秋田市

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公開日: 2015-05-28  

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