研究課題/領域番号 |
23792653
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研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
市川 正人 名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (20513873)
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キーワード | 乳幼児突然死症候群 / 保健衛生知識 / 母親 / 育児 / 全国調査 |
研究概要 |
本研究は、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率が異なる地域間において、生後1ヵ月児をもつ母親を対象にSIDSに対する知識を調査することにより、SIDSの知識と発症率の関連性を明らかにし、知識の普及によるSIDS発症率の低下に寄与することを目的としている。2年目となる本年度は、SIDS家族の会の協力を得て質問紙調査の準備(研究対象施設の選定、質問紙内容の精査等)を完了し、質問紙調査を開始した。調査対象地域は過去5年間のSIDS発症率の平均値を参照し、上位5地域および下位5地域とし、うちすでに調査を終えている北海道を除く9府県を新たな調査対象地域とした。なお、質問紙調査は現在も継続中である。 SIDS発症率が全国平均の2倍以上と高率な北海道における先行研究では、厚生労働省が主唱となり進めている「SIDS対策強化月間」が生後1か月児を持つ母親に殆ど普及していない結果が示されたことから、本年度は上記調査と並行して北海道内の全市町村および札幌市の全区の保健センターを対象に、SIDS対策強化月間の実施状況を調査した。質問紙配布数は188、回収数149(回収率79.3%)、有効回答数149(100%)。その結果、SIDS強化月間の存在自体を「知らない」と答えた市区町村が35地域(23.6%)に上ったほか、ほぼ全ての市区町村で強化月間に合わせた取り組みがなされておらず、年間を通しても啓発活動を行っている市区町村も約半数にとどまる結果が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に発生したSIDS家族の会との連携のトラブル等による6か月程度の遅れの影響が解消されていないため、依然6か月程度の遅れを持って進行している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙の回収には郵送法を用いているため、返送され次第、順次データをPCに入力していき、データが集まり次第、統計学的分析を行う。また、研究対象施設の質問紙配布状況を定期的に確認し、不足があれば随時質問紙の増刷を行っていく。 10月以降、結果の考察、まとめと公表の準備をする予定である。統計学的分析、および考察には有識者の意見を参考とする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
質問紙回収の郵送費、質問紙の増刷に伴う経費、有識者との意見交換に伴う費用等に支出する予定である。
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