研究課題/領域番号 |
23792654
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
蛎崎 奈津子 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (80322337)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 在日外国人 / 妊娠・出産 / 家族関係 / 看護 / 国際結婚 |
研究概要 |
現在の医療現場における在日外国人妊産婦の看護はいまだ発展途上であり、言葉の問題に対する支援策の検討が大半を占めている。出産後も日本で定住し、育児を含めた生活を営んでいく者としての看護の視点は十分とはいいがたい。これまでの様々な調査で得た知見を医療現場の看護活動とすり合わせ、臨床現場において円滑な実践につなぎ、実働させるシステムづくりは今後の重要な課題であると考えた。そこで本研究では、外国人妊産婦と日本人家族など、その家族関係の構築にむけた看護ケアシステムを試み、その効果を検討することによって、今後の在日外国人妊産婦へのケアを中心とした外国人女性への周産期におけるケアシステムのあり方を提言していくことを目的とした。平成23年度から25年度までの具体的な行程は3段階で遂行することとし、特に今年度は施設勤務助産師を対象に、外国人妊産婦と日本人家族の関係構築に向けた看護の導入にあたっての現状や課題、考えうる対応策、連携をとるべき機関等を明らかとするための調査に向けた情報収集と具体的な調査方法の準備を行った。 その結果、外国人妊産婦は総合病院、中でも主に宗教上の理由から女医いる病院の受診や利用を選択する傾向があること、通院・入院の状況については、言葉の問題があるものの、家族や知人のつきそいを得て、通常は大きな問題もなく経過できていること、勤務助産師側も特段の気苦労なく対応可能であることが把握された。一方で日常の生活においては同国の知人や宗教上の集いなどに参加していることは把握しているが、日本人家族との関係性や地域での孤立の問題については語られなかった。以上のことより、各地域で外国人妊産婦が利用する病院、女医がいる総合病院は限定されること、家族・知人がいない際の対応、外国人妊産婦の家族関係や地域での生活上の課題等に関してまずは詳細に把握し、今後の調査に反映させていく必要が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災による各病院施設の体制やシステムの混乱状況が落ち着いた時期を考慮し、情報収集を開始した。現在、次年度の調査の実施に向けた研究倫理審査申請中であり、今後は順調に進展させることができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究倫理審査の結果を受けて、調査を予定通り、開始する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の変更なく、使用する計画である。
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