平成23年度は、小児医療領域への特定看護師(仮称)導入の賛否および様々な医行為の実施者について、全国の小児科医師ならびに小児看護に従事する看護師を対象に調査を行った。導入に対し、「良い・やや良いと」考える医師82.5%、看護師70.0%であった。また、医行為の実施者について、薬剤投与や侵襲を伴う処置ならびに高度な技術が必要な検査については、多くの医師・看護師が実施者は医師が適切と認識していた。一方、日常生活に関する医行為として〔飲水開始・中止の決定〕などは50%以上の医師が特定看護師でも可能と考えていた。 平成24年度は、小児科医師ならびに小児看護に従事する看護師が小児医療領域に特定看護師(仮称)を導入するにあたり期待することおよび課題や問題について検討した。期待することとして、医師・看護師ともに【医師の負担軽減】【質の高い小児看護の提供】などがあげられ、看護師のみが考える期待としては【看護師の安心感の獲得】や【医師との有効な意見交換】が行えるようになるであった。一方、問題や課題として、両者ともに【医行為を実施する際の責任問題】【特定看護師の知識・技術レベルの保障】【教育体制の未整備】などがあげられた。 平成25年度は、小児科医師ならびに小児看護に従事する看護師が小児医療領域に特定看護師(仮称)を導入するにあたっての課題や問題を解決するための対策について自由記述内容や面接調査から検討した。その結果、小児科医師や小児看護に従事する看護師は導入に対する問題や課題を解決するために「特定看護師(仮称)が対応する患児の年代、緊急度、重症度、疾患を明確にしておく」、「特定看護師(仮称)が対応する範囲を0.5次救急までと定める」、「小児領域を担当する特定看護師(仮称)には小児の二次救命処置(PALS)を習得させる」といった対策が必要であると考えていた。
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