研究課題/領域番号 |
23792669
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
伊藤 奈津子 淑徳大学, 看護学部, 助手 (00340117)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 育児支援 / 不安 / 携帯メール / 母親 / 乳児 |
研究概要 |
当初計画よりも研究の進展があり、平成23年度中に携帯アプリケーションを作成し、10例の母子を対象に質的調査を実施できた。【研究の具体的内容】1.携帯アプリケーションの作成:「育児不安」や「育児ストレス」「子育て支援」に関連した既存文献を読み、育児不安が抽出されやすい「携帯メール」での質問項目や提供する育児情報について検討し、携帯アプリケーションを作成した。2.生後1ヶ月健診時と生後4ヶ月時の面接調査の実施:育児不安の内容や影響因子、その解決方法、児に対する思い、「携帯メール」の評価などに関して、半構成面接を行った。3.生後1ヶ月時点と生後4ヶ月時点での「育児ストレステスト」、生後4ヶ月での「携帯メールを用いた育児支援プログラム」の評価調査を実施した。【結果】 現時点での結果を報告する。1.子どもの「泣き」について、ストレスを強く感じる母親は、全体的に育児に対してストレスを強く感じていた。2.子どもの「泣き」に対して過敏な母親は、自分の時間(家事時間も含む)を持てずにストレスを強く感じている傾向があった。3.STAI得点が高い母親については、もし風邪を引いたら・・など、「不安」を自ら作り出しているような様子がうかがえた。3.子どもがいる生活のイメージづくりができていた母親は、育児による生活の変化もストレスを強く感じることなく受容していた様子がうかがえた。4.夫が育児休暇を取得したり、両親が近くにいる母親は育児に関する不安を抱きにくい傾向があった。5.携帯メールに関する質問紙調査では、「その時期に適した育児情報が送信されてくるのでよかった」「他のお母さんの状況がわかり安心できた」など好意的な意見が見られた。今後は、これらの結果の分析を更にすすめ、携帯メールを用いた育児支援へ向けての方法を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初平成24年度に、本調査として計画していた質的調査を終了することができた。 研究の目的は、生後3-4ヶ月健診に至るまでの母親の生活の実態と育児不安の内容と変遷について明らかにすること、時期別に抱きやすい育児不安の特徴について分析し、乳児の母親の抱きやすい育児不安の特徴を明らかにし、肌理細やかな新しい育児支援の携帯アプリケーションを作成することなどである。 平成23年度までの質的調査で、母親の生活の実態と育児不安の内容と変遷についてと「携帯メール」による育児支援に関する評価はデータとして得られているため、今後は研究の精度をあげるため、平成24年度以降は量的調査を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、前年度に行うことができた質的調査に関する分析を行い、更に研究の精度をあげるために更なる質的調査や量的調査を検討している。 本年度までに得られた結果から、母親の「携帯メール」の実際の使い方や育児不安に関する影響因子を参考にし、母親を特徴別に分類し、生後4ヶ月までの母親を対象とした肌理細やかな新しい育児支援の携帯アプリケーションを作成する。 また、平成25年度には、生後1ヶ月と4ヶ月時点での母親の育児不安の具体的な対処方法のパンフレットを作成する予定である。 平成24年度の研究費の主な用途は、量的調査の郵送費を含めた通信費とデータ分析費となる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度以降は、研究の精度をあげるため、量的調査も実施する予定である。当初予定していた対象者の人数よりも大幅に対象者が増加するため、通信費やデータ分析費などの費用配分比重が高くなる予定である。 また最終年度には、本研究で得られた結果から、生後4カ月までの母親を対象とした育児支援パンフレットを作成する予定であるため、そのパンフレット製作費も必要経費として計上する。
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