研究課題/領域番号 |
23792669
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
伊藤 奈津子 淑徳大学, 看護栄養学部, 助手 (00340117)
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キーワード | 育児支援 / 不安 / 携帯メール / 母親 / 乳児 |
研究概要 |
平成23年度中に携帯アプリケーションを作成し、10例の母子を対象に質的調査を実施したデータを用いて、平成24年度は、その内容を分析し、修士論文にまとめ、その一部を紀要に発表した。 【論文趣旨】 今回開発した育児支援プログラムは、『育児不安に関する自己査定』と『研究者からの育児情報の提供』を中心としたものである。育児不安に関する質問項目は、この時期の母親が抱きやすい育児不安と母親自身の疲労感や睡眠不足、イライラ感などを含めた17項目に絞った。産後間もない母親の負担を軽減するため回答を簡易化するために、チェックボックス形式とした。育児情報には、それぞれの時期に特徴的な『赤ちゃんの状態』『親の心身の状態』『赤ちゃんの世話』に加えて、『医療に関連する情報』を含めた。さらに、母親同士の連帯感を形成することを目的として、育児不安調査の集計結果を返信メールに含めた。 2)作成した携帯アプリケーションを用いた育児支援により、週数の経過とともに育児不安を訴える項目数は低下した。全期間を通して多くの母親が『皮膚トラブル』に関する不安を訴えていた。また、生後9週程度まで児の『泣き』や『睡眠』に関する不安を訴える母親が半数以上みられた。また、携帯メールによるタイムリーな育児上の提供が、母親の不安の解消に役立った。さらに、外に出にくい時期の母親にとって、他の母親の状況が把握できることは孤立感の軽減につながった。 3)携帯アプリケーションによる育児不安での高育児不安群と、育児ストレス尺度による高育児ストレス尺度群ではおおよその一致がみられたため、携帯アプリケーションによる育児不安の調査項目は妥当であったと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、当該年度までに収集したデータを分析し、結果を修士論文にまとめた。論文として中間的に総括することで、携帯メールを用いた育児支援プログラムの大部分を占める携帯アプリケーションにおいて改良が必要な部分が正確に把握することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は最終年度にあたる。今後は、研究結果をもとに携帯アプリケーションを改良し、再度データを収集し、「携帯メールを用いた育児支援プログラム」を構築する予定である。また、希望する母親が幅広く本研究にて構築した育児支援プログラムを用いられるように、生後1ヶ月から生後4か月までの母親が抱きやすい育児不安の内容とその解決策などをまとめたパンフレットを作成し、その中で育児支援プログラムへのアクセス方法を情報として掲載したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究が開始された平成23年度から数年間でかなりiパッドやスマートフォンなどといった携帯型タブレットの利用率が向上してきている。このため、携帯アプリケーションもこれらのタブレット型端末で利用できる携帯に変更していく必要性を感じている。 このため、次年度に使用する大部分の研究費は、平成23年度に作成した「携帯アプリケーション」の改良費として使用する予定である。 その他、プログラムを改善するためのパソコンやデータを収集するための通信費やデータ分析費、パンフレット作成費なども必要となる予定である。
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