研究課題/領域番号 |
23792672
|
研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
五十嵐 ゆかり 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (30363849)
|
キーワード | 多文化共生 / 外国人 / 周産期ケア / 教育プログラム |
研究概要 |
本研究の目的は、外国人ケアを習得するための周産期看護者向けの教育プログラムの開発を行うことである。初年度は、国内外の先駆的な活動を行っている施設からの情報収集をおこなった。特にオーストラリアでは、30年以上移民・難民女性を支援している団体(MCWH)からは、実際に教育プログラムに参加させてもらい、プログラム提供者と参加者の両者から情報収集を行うことができた。教育プログラムの開発には、オーストラリアのMCWHから協力を得られることとなった。2年目は、プログラムの概要の検討を行うとともに、情報収集のためにヨーロッパの施設見学に行き、国レベルでの移民政策を展開しているプロジェクトマネージャー、教育プログラムを提供している現地の民間団体のリーダー、病院施設管理者や研究者などと意見交換を行った。ヨーロッパにおいても、医療者向けの教育プログラムは改良を必要としており、プログラムの共同開発の可能性についても議論を行うことができた。先駆的に支援者を育成している現場から情報収集を行うことができたとともに、他国との共同でのプログラム開発についての議論ができた。日本における看護者教育プログラム作成の基盤となる情報収集を行うことができたとともに、今後の研究の発展の可能性も得ることができたと言える。今後は、日本向けのパイロット版のプログラムを作成し、小集団へ提供し評価を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年で試作プログラムを作成し評価を行う予定であったが、直前で海外の施設との調整がうまくいかず、予定通りに計画が進まなかった。そのため3年目に試作プログラムを作成し、評価を行う予定である。 プログラムの各モジュールを担当する各専門家との意見交換が必要であり、プログラムの精選を行ったのちパイロットテストを行い、評価を行う。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は海外視察をする予定であったが、受け入れ施設の都合により計画通りに視察に行くことができずプログラム開発が大幅に遅れた。その後、研究を予定通りに遂行するために計画を是正したが、パイロットテストまではできなかった。 そのため平成25年度は4月~7月でパイロットプログラムの検討を行い、8月~9月にパイロットテストと行い、8月~9月に小集団を対象としたパイロットテストを行い、10月~12月にデータ分析を行う。 平成26年1月~3月は、パイロットテストの結果を学会などで広く公表するともに、教育プログラムの試作を完成させ、3年間のまとめを行う。 今後は、試作プログラムを基盤とした多文化共生社会に対応できる看護者を育成するプログラムの開発を行う。その後、プログラムを受けた看護者のフォローを行いながら、どのように変化し、ケアを習得していくのかを追跡する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、海外視察の施設の予定が急に変更になり研究計画が大幅に変更になったため、講師との予定調整ができなかったり、また参加者のリクルートがうまくいかなかったために、研究期間を延長せざるを得なかった。パイロットテストができなかったために、プログラム展開における講師謝金、参加者への謝金を使用しなかったため、残額が発生した。平成25年度は、試作プログラムのパイロットテストを行うため、研究費は必要な謝金に使用する。また研究成果を論文投稿費用として使用する予定である。
|