本研究は、重症心身障害児の睡眠の問題とその改善方法について検討していこうとするものである。重症心身障害児を対象に、睡眠の問題を客観的に明らかにするために、1.腕に装着した時計型の装置で活動度を記録し睡眠と覚醒を把握するアクチグラフ、2.マット型の睡眠測定器(眠りスキャン)3.生活日誌による睡眠の状況の把握、4.質問紙による個人因子および介護者の負担感の調査を実施した。また、高照度光療法を実施し、高照度光療法の有用性を検討した。睡眠の客観的評価および高照度光療法を実施できた対象は1名のみであった。客観的評価として、アクチグラフおよび眠りスキャンを用いてデータ収集を行ったが、両者のデータは一致しなかった。また、高照度光療法を2週間実施したが、昼夜逆転の睡眠障害の改善に効果がなかった。
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