研究課題/領域番号 |
23792680
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研究機関 | 仙台青葉学院短期大学 |
研究代表者 |
佐藤 利憲 仙台青葉学院短期大学, 看護学科, 講師 (10583031)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ペアレントトレーニング / 応用行動分析 / 発達障害 / 看護支援 |
研究概要 |
ペアレントトレーニング(PT)とは、発達障害児の行動に対する適切な対応(PTの手法)を、保護者[ペアレント]が、習得するための訓練[トレーニング]である。しかし、PTの手法は、教育現場などの子ども集団では実践しにくいことが指摘されていた。そこで、研究代表者らは、教師や保育士などを対象とした新たなPT(支援者を対象としたPT)を開発し、子ども集団への有用性を実証した。これにより、保護者に限定されていたPTの適用範囲が拡大し、子どもに携わる支援者への適用が可能となった。そこで本研究は、発達障害児や精神障害者を支援する看護師に着目し、PTの手法を応用した看護師の支援技術を開発、さらには、開発した支援技術を習得するためのトレーニングプログラムを構築することを目的とした。今年度は、PTの認知度と、PTの手法の応用に関する調査、また看護師の行動調査を行った。調査対象は、精神科看護師と、対照群として、子ども支援に携わるもの(保育士、保健師、子ども相談員等)と、子育て中の保護者とした(計55名)。結果、PTの認知度は、3群間で有意差は見られず、いづれもPTの認知度は低いことが明らかとなった。また、精神科看護師のPTの手法の応用に関する調査では、PTの3つの手法の内、無視する(相手をしない・待つ)手法が、応用実践しにくいことが明らかとなった。看護師の行動は、現在調査中である。結果を今後分析し、適応行動が増加する看護師の言動や、不適応行動が減少する看護師の言動等を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者のフィールドの大部分は宮城県であり、今回の東日本大震災で、研究協力(含、候補)病院の多くが被災した。このため、多くの病院が、病院機能を正常化すること、復旧・復興、災害対策が優先される状況にあり、研究・調査を実施できる環境ではなかった。また、研究代表者も復旧・復興に携わり、研究開始が大幅に遅れた。これらのことが遅れている要因である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、震災があり研究開始が大幅に遅れ、現在の進捗状況もやや遅れ気味である。現在は研究フィールドの大部分が宮城県内であるため、他地域にもフィールドを拡大し実施する必要がある。今後は、看護師の行動を調査し、行動の分析を重点的に実施する。行動分析の結果から、患児や患者の適応行動を増加させる看護師の言動や、患児や患者の不適応行動を減少させる看護師の言動を明らかにしていく。これらの結果から、具体的なほめる手法や、無視する(相手をしない・待つ)手法を開発し、又看護師の現状に合ったトレーニングプログラムを構築していく。また、ペアレントトレーニングの手法を習得する前の看護師の心の健康度も調査する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に使用する研究費は、新たな研究協力病院や施設への依頼・相談・調査に関する旅費や、プレゼンテーション用の備品費、調査データの分析に関連する経費が主である。また、関連図書の購入や研究協力者との打ち合わせでも使用する。
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