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2012 年度 実施状況報告書

子育て世代における「地域とつながる力」の概念構築

研究課題

研究課題/領域番号 23792682
研究機関北海道大学

研究代表者

本田 光  北海道大学, 大学院保健科学研究院, 助教 (80581967)

キーワード母子保健 / 子育て支援 / コミュニティ・サポート / 育児不安 / ソーシャルサポート / ソーシャルキャピタル
研究概要

1.コミュニティーに関する概念整理:文献検討により、本年度は主に心理学領域におけるコミュニティーの概念について整理した。その結果、コミュニティー感覚を共有することがコミュニティーの要件となることが示唆された。コミュニティー感覚とは、メンバーシップ、影響力、ニーズの統合と充足、情緒的つながりから構成される。
2.ソーシャルサポート及びソーシャルキャピタルに関する概念整理と研究課題の焦点化:文献検討により、ソーシャルサポートおよびソーシャルキャピタルの概念について整理した。ソーシャルサポート理論は主に1980年代に盛んに研究され発展している。また、ソーシャルキャピタルの概念はもともとは政治学や経済学の領域で開発された概念ではあるが、現代ではコミュニティーにおける信頼・相互扶助の規範・ネットワークと健康の観点から公衆衛生の領域でも盛んに扱われている概念である。ソーシャルサポート理論とソーシャルキャピタルの概念とは似ている部分もあるが、ソーシャルサポート理論が主に個人を対象としているのに対して、ソーシャルキャピタルの概念は集団や地域性を対象として扱っているところに特徴の違いがあった。これまでの先行研究における理論や概念の整理から、本研究では、ソーシャルサポート理論をベースにしながらも、つながる力としての社会化能力(social competence)及び利用可能な人的資源やコミュニティー感覚を共有する集団によるサポート(集団に所属することで得られる安心感など)をつながっている状態として、つながる力とつながっている状態の2軸で本研究の概念開発を進める方針に至った。
3.フィールドワークにおける予備的調査:これまでの概念整理と実際場面との照合、および今後の調査におけるインタビューガイドの作成に向けて、6ヵ所の子育てサロン及び子育て支援センターにてフィールドワークを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インタビューガイドはほぼ完成し、倫理委員会による承認後、ただちに本調査を開始することができる。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、インタビュー調査およびデータ分析を並行しながら進めていく予定である。これまでの既存理論や概念の整理により、概念開発として目指す方向性が定まっているため、データ収集およびデータ分析は順調に実行することができると期待している。

次年度の研究費の使用計画

1.インタビュー調査による録音音声のデータ化(テープ越し作業)に係る経費。
2.調査に係る交通費。
3.質的分析方法を実行するのに必要な文房具や参考書籍。
4.データ分析の進行状況によって、その成果を学会で発表するための経費。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] A市における保健推進員の主体的な活動と充実感に関連する要因2013

    • 著者名/発表者名
      中田拓也,小川玲実,杉田友理,山本航平,本田光,佐伯和子
    • 雑誌名

      北海道公衆衛生学雑誌

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 3歳児を持つ親の子育てと他者への信頼との関連‐父親と母親の特性の違い‐2012

    • 著者名/発表者名
      本田 光,宇座美代子
    • 雑誌名

      日本公衆衛生雑誌

      巻: 59(5) ページ: 315-324

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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