研究課題/領域番号 |
23792682
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本田 光 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 助教 (80581967)
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キーワード | 母子保健 / 子育て支援 / コミュニティ・サポート / 育児不安 / ソーシャル・サポート / ソーシャル・キャピタル |
研究概要 |
1.フィールドワークによる参加観察 平成25年度は、北海道内の政令市及び遠隔地域における自治体の子育て支援センター、子育てサロン及び保健センター等、13施設において延19回のフィールドワークを行った。フィールドワークでは、主に8ヶ月頃~3歳になる幼児とその母親が集う場面に同席し、親子の掛け合い、子ども同士の関係性とその場面における親の行動、また母親同士のコミュニケーションやスタッフとの交流場面を観察し、その場面で展開される相互作用について観察を行った。 2.母親と保健師に対するインタビュー調査 子育て世代における「地域とつながる力」の概念構築へ向けて、質的研究によってアプローチするために、インタビュー調査を行った。対象は、子育てサロンに参加する1~4歳未満の幼児をもつ母親とし、5施設において15名の母親にインタビューを行った。しかし、子育てサロン等に参加し、インタビューに対応してくれる母親は比較的、人との関係性をとることに問題のないケースであることが予測される。そこで、反対の事例をコントラストとして分析の精度を高めるために、母子保健領域におけるケース支援の経験が豊富な保健師5名を対象にインタビュー調査を行った。現在、分析の途中ではあるが、子育て世代における「地域とつながる力」の概念は、構造・機能・動機・能力の4つの側面から構成されつつあり、4側面におけるそれぞれの関係性と構造についてさらに詳細の分析を進めている。 3.母親のSNS利用実態に関する調査 母親世代におけるSNS利用率の増加を背景に、地域とのつながりに関してSNSが果たす役割について研究を行った。対象はA市10ヶ所の子育てサロンに通う母親187名を対象に自記式質問紙調査を行った。この結果、SNSは母親の友人との関係維持を目的に活用されている現状が明らかになり、新しい出会いや関係づくりを目的に利用している母親はまだ少数派であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題を遂行するために必要な主要データは収集できている。今後は収集したデータの解析を行う。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、データの飽和化に向けて追加のデータ収集を行う。また、質的研究方法における真実性、信憑性を高めるために参加者チェックと専門家(子育て支援担当者)による検討のプロセスを遂行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究補助として短期支援員を雇用していたが、予定よりも出勤日数が少なかったため。 1.追加データの収集および音声データのテープお越しに係る経費
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