本研究では、1歳~4歳児を持つ母親を対象として、グランデッドセオリーによる質的記述的研究方法により、子育て世代における母親の「地域とつながる力」の概念開発を行った。母親の「地域とつながる力」は、構造、機能、内的動機、社会的能力の4つの側面から構成された。つながりの構造とは、誰と、どこで、どのようにつながっているのか、その頻度、強度、心理的距離である。機能とは、母親がつながりから得ているソーシャルサポートの有効性の認識である。内的動機とは、つながりの前提要因として存在する期待である。社会的能力とは、向社会的な認知レベル、行動レベルの対人関係構築能力である。
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